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[2023/02/23] ロンボクだより(86):TPOをわきまえて(岡本みどり)

~『よりどりインドネシア』第136号(2023年2月23日発行)所収~

みなさん、こんにちは。インドネシアが去年の年末にコロナ対策を全面解除してから2ヵ月近くがたちました。夫の従兄弟は、コロナで数年延びていた海外留学に目処が立ち、つい先日旅立っていきました。今回はその時の見送りの様子をお伝えします。

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出発日の数日前に、夫の姉たちから「日曜日に出発なんだって。みんなで空港まで見送りにいくけど、みどりもどう?」と誘いを受けました。昼に空港で見送ったあと、マンダリカ地域の海辺を散策するといいます。「うん!行く!」私は誘いに乗りました。夫は仕事があったため、我が家は私と娘の二人で参加することになりました。

4台の車にわかれて朝10時に出発するそうです。

「ひゃ~、4台とはこれまた、みんなのウキウキ度の高さったらないね。空港に加えてマンダリカだもんね♪」

仕事や学校の開始時刻に遅れるのは平気な人々も、こういう日は10時といわれたら9時に集まるのを私は経験上知っていました。

10時に出発すると、12時ごろに空港に到着します。お昼の時間帯ですが、昼食を外食することはありません。誰かがロンボク島の郷土料理、プルチン・カンクン(空芯菜のピリ辛ソース和え)をつくって持ってくるだろうなぁ。それを空港の広場かマンダリカの砂浜で食べるに違いない、と私は予想しました。

私はお菓子でも用意しておこうかな。そう思っていたら、夫が前日にお菓子を買ってきました。やっぱり。私もロンボクのやり方がわかるようになってきたなぁ。

どこに書かれているわけでも、誰と示し合わせているわけでもありません。でも、そこに所属する人々ならみな当たり前のようにそうする ― そんな不文律を会得するのは難しいだけに、この島に馴染めた気がして嬉しく思いました。

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当日。娘と一緒に朝から準備をして、朝9時すぎに集合場所へ向かいました。もうほとんどみんな集まっています。

「9時のつもりで用意してよかった」

ホッとしたのもつかの間、私はみんなの服装を見て驚きました。

女性たちはみな、ガミス(イスラム教徒用の、体のラインが隠れるワンピース。長袖・くるぶし丈)を着ているのです。子どもたちも男性も、ずいぶんとよそ行きの服装でした。

ガミスを着た親族。ロンボク国際空港にて

「うそっ」

私は焦りました。

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