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[2023/05/07] ロンボクだより(90):一時帰国(岡本みどり)

〜『よりどりインドネシア』第141号(2023年5月7日発行)所収〜

(編集者注)本稿は、2023年3月9日発行の『よりどりインドネシア』第137号に所収の「ロンボクだより(87)」の続きです。2018年に起きたロンボク地震の記憶をつづります。なお本稿は2023年6月発行の『よりどりインドネシア』第143号に続く予定です。

みなさん、こんにちは。ゴールデンウィークも終わり、いかがお過ごしでしょうか。ロンボク島はいつのまにか雨の日がほとんどなくなり、暑い日差しがもどってきました。座っているだけでも体力を使います。

今回は、ロンボク地震のあとに一時帰国したときの様子をつづります。

娘と飛行機。ロンボク空港にて。

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2018年9月某日、日本の友人から連絡がありました。9月末にある友人の結婚式への出欠確認です。すでに私と娘は出席・夫は欠席で返事していましたが、地震があったために気を遣ってくれたようです。

夫や義母・義兄などと話し合った結果、航空券を購入済みだったこともあり、予定どおりに日本へ行くことにしました。

結婚式に出席する旨を伝えると、友人から驚きの提案がありました。

「披露宴でロンボクへの支援金を募ろうと思うの。みどり、(募金のための)スピーチしてくれないかな?」

「そんな、披露宴で募金だなんて・・・」

「私と新郎がそうしたいの!」

友人と私は、ある国際協力団体で知り合い、私が青年海外協力隊の隊員としてインドネシアに派遣されるまで、国内外のさまざまなボランティア活動に一緒に参加してきました。

一生に一度の自分が主役の舞台でこんなふうに手を差し出してくれるなんて・・・友人らしいな。

「わかった、ほんとにありがとう」

友人の提案を受けてから、一時帰国中にほかの場所でも支援金を募るイベントを企画すればよいのでは、と思い至りました。

幸い、これまでにも「ロンボクおはなし会」というロンボク島を伝えるイベントを開催していました。ノウハウはありますが、私たちの村は電気こそ復旧したもののWi-Fiは使用できないままでした。当日までにすべきことを考えると、ちょっと不安だなぁ。

しかし、何事もやってみなければわかりません。

ものは試しに・・・と、日付とだいたいの場所だけ決めて、チャリティートークライブをしたいことと当日と事前の準備を手伝ってくれる人を募集したいことをSNSに投稿しました。そうしたら、青年海外協力隊時代の友人が協力するよと手を挙げてくれました。なんと~。ありがたや~。

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9月26日、私と娘は村を発って空港へと向かいました。途中、山麓で仮設住宅がたくさんできているのが見えました。

山麓で見かけた仮設住宅

「私たちのいるところではまだ見かけないけど、こんなに仮設住宅を建てている地域もあるんだ」

少しずつ復興が進む様子をこの目で見つつ、飛行機へ。トランクの中にはロンボク島の民族衣装が入っています。

今回の一時帰国の目的を下の3つに定めました。

・友人の結婚式への参加
・ロンボク地震チャリティートークライブの開催
・日本の両親に元気な顔を見せて安心してもらうこと

いざ日本の地に降り立つと、まずは久々のふかふか布団にテンションがあがりました。

あ~腰が痛くない!屋根のあるところで眠れるっていいもんだなぁぁぁ。Wi-Fiもあるわ~、ゆっくり便座に座ってられるわ~(ロンボクでは屋外トイレでしたし、余震があったのでなるべくチャチャっと用を足していました)。

最高!

肝心の友人の結婚式とトークイベント、それに実家でも、みんながとても心配してくれたこと、無事を祈っていてくれたことがあらゆる場面で感じられました。

友人結婚式&トークライブの衣装

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