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よりどりインドネシア第183号(2025年2月9日発行)

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いんどねしあ風土記(バンテン王国)/ロンボクだより(ペットボトル回収)/ラサ・サヤン(犬を飼うインドネシア人)/語り部キットと発想の素/映画往復書簡(『やがて、霞立ち込めて』の幾…
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記事一覧

いんどねしあ風土記(61):国際交易で栄えた夢の跡・バンテン王国盛衰記 ~バンテン州セラン~(横山裕一)

〜『よりどりインドネシア』第183号(2025年2月9日発行)所収〜 日本でいえば、戦国時代末期から江戸幕府初期、すなわち16世紀から17世紀にかけての約150年間、ジャワ島で当時最大規模の国際交易で栄えたのが現在のバンテン州セランにあったバンテン王国だった。ヨーロッパをはじめアラブ諸国、中国や東南アジア諸国などから商船、多人種が行き交い賑わったという。バンテン王国の盛衰はジャワ島にあった王国間の勢力争いとオランダによる植民地化に伴う攻防の歴史でもあり、現在も街や人々にそれ

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ロンボクだより(118):ペットボトルの回収(岡本みどり)

〜『よりどりインドネシア』第183号(2025年2月9日発行)所収〜 みなさん、こんにちは。こちらでは毎日暴風雨が続き、魚や夏野菜(特に毎日のサンバル作りに欠かせないトマトや唐辛子!)の値段が上がりきっています。2月末の断食月が始まるまでになんとか通常の値段に収まってほしいところ。 さて、今回のロンボクだよりはペットボトルの回収について書きました。空のペットボトルのやりとりにも様々なドラマがあるのです。 ********** 日本ではペットボトルを捨てるとき、自治体の

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ラサ・サヤン(59):~犬を飼うインドネシア人~(石川礼子)

〜『よりどりインドネシア』第183号(2025年2月9日発行)所収〜 イスラム教と犬『よりどりインドネシア』第179号で、横山さんが『ネコのいる風景』について書いていらっしゃいました。私はどちらかというと「犬派」で、猫はあまり好きではありません。現在、我が家には4歳になる夫婦うさぎ(人間で言うと40歳に等しいらしい)がいるため、犬を飼うことはできませんが、20年ほど前に事情があって「ロットワイラー」という大型犬を二匹飼ったことがあります。ドイツが原産国で警察犬として使われて

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語り部キットと発想の素(太田りべか)

〜『よりどりインドネシア』第183号(2025年2月9日発行)所収〜 インドネシアの若い人たちのなかには「書きたい」と思っている人がとても多い、という話を耳にした。創作や文章を書くためのワークショップやセミナーも、オンライン、オフラインともにさまざまな形で開催されていて、かなり盛況だそうである。 歌手・作家であり、詩人スパルディ・ジョコ・ダモノの詩 “Hujan Bulan Juni”(「六月の雨」)をはじめ、インドネシアの詩人たちの作品に曲をつけて歌うなど幅広く活躍して

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往復書簡-インドネシア映画縦横無尽 第97信:『やがて、霞立ち込めて』の幾重にも重なる霧 ~ラストシーンが意図するモヤモヤの正体~(轟英明)

〜『よりどりインドネシア』第183号(2025年2月9日発行)所収〜 横山裕一様 ここしばらく、日本は連日の寒波です。幸い、私の住んでいる首都圏では大雪こそ降っていませんが、寒さが厳しいのは例年以上の感覚で、東北や北陸では災害級の大雪が降っていると報じられています。一方で、日本とインドネシアの人的交流は観光客含めて盛んなようで、昔のご近所さんがツアーに参加して来日中、日本の冬を楽しんでいる模様です。折しも特定技能や技能実習生として中期滞在し働くインドネシア人が大幅に増加中

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