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よりどりインドネシア第169号(2024年7月7日発行)

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世界最古か?南スラウェシの洞窟壁画/書評『インドネシア-世界最大のイスラームの国』/映画往復書簡(ジョコ・アンワルのナイトメア&デイドリーム)/スラウェシ市民通信(ガレソンの飛子…
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記事一覧

[2024/07/07] 世界最古か?南スラウェシの洞窟壁画をめぐって(松井和久)

~『よりどりインドネシア』第169号(2024年7月7日発行)所収~ 南スラウェシ州の州都マカッサルから北上し、車で1時間ぐらい走ると、向かって右側、つまり東側に、ニョキニョキとした奇妙な形の岩山がたくさん見えてきます。これはカルスト地形の光景で、石灰岩などの水に溶解しやすい岩石で構成された大地が雨水、地表水、土壌水、地下水などによって溶かされ侵食されてできた地形です。その面積は437.5平方キロメートルに及び、中国・広東省のそれに次ぐ世界大第2位の広さとなっています。とく

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[2024/07/07] インドネシア本乱読精読耽読 第2回『インドネシア-世界最大のイスラームの国』加藤久典・著 ちくま新書 2021年8月10日初版 本体920円+税(轟英明)

~『よりどりインドネシア』第169号(2024年7月7日発行)所収~ 前回の反省から前回に引き続き、今回もインドネシアのイスラームについての本を紹介したいと思います。なお、前回は新連載にもかかわらず、いきなり学術的専門書を紹介するという暴挙(?)に出てしまい、我ながら趣味に走り過ぎたと脱稿してからひとしきり反省しました。 茅根由佳さんの『インドネシア政治とイスラーム主義 ひとつの現代史』は、なるほど、インドネシアのイスラーム思想の変遷を概観できる素晴らしい本ですが、インド

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[2024/07/07] 往復書簡-インドネシア映画縦横無尽 第84信:不思議な非日常に垣間見える現実、見応え十分なSFスリラー~Netflix新作『ジョコ・アンワルのナイトメア&デイドリーム』より~(横山裕一)

~『よりどりインドネシア』第169号(2024年7月7日発行)所収~ 轟(とどろき)英明 様 6月中旬に一時帰国からジャカルタに戻り一息ついてから、配信サイト・ネットフリックスをチェックすると、ネットフリックスオリジナルの新作品として、『ジョコ・アンワルのナイトメア&デイドリーム』(Joko Anwar’s Nightmares and Daydreams)が配信されていました。ジョコ・アンワル監督といえば、日本でも劇場公開されたホラー映画『悪魔の奴隷』シリーズなどでも有

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[2024/07/07] スラウェシ市民通信(10):ガレソンの飛子はロシアへも飛ぶ(2007年11月翻訳)(カマルディン・アジス/松井和久訳)

~『よりどりインドネシア』第169号(2024年7月7日発行)所収~ ガレソンの飛子漁飛び魚の卵(飛子)というのを知っているだろうか。飛子は、日本、韓国、台湾で高級食材となり、ここガレソン(Galesong)地区(訳注1)から毎年何トンもが輸出され、多額の収入をもたらしてきた。ここには昨年(2006年)、飛子20トン、50億ルピア(約5,800万円)をロシアへ輸出した業者がいる。 ガレソンの漁民にとって、飛子はプリマドンナともいうべき華やかな輸出商品であるとともに、昔から

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