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独立2年目の振り返り
2021年1月1日に個人事業主として独立し、丸2年が経ちました。1年目以上に激動だった2年目を振り返っておこうと思います。
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本業
今の本業(収入を得る手段)は、スポーツ事業のディレクションです。数千人規模で広範囲な市民マラソン大会を、設計から各種進行管理、当日運営まで一貫して対応することもあれば、そのなかの一部のみを請け負うこともあります。
また、得意領域はランニング・マラソンイベントですが、自転車やスポーツ体験会などの仕事をいただくことも増えてきました。規模も数千人~数十人まで様々です。
※事業のディレクションによって幸せになる人が増えることを目指す、「株式会社ロックスパーク」の理念や”なんでやるか”は、別途記事にしています。
大きな規模の事業で一貫した対応を請け負うをことを「大規模」、一部分だけを請け負ったり小さい規模の事業を「小規模」と定義すると(工数の多さで大~小規模を分けると)、2022年の受託実績はこんな感じでした。
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年間を通してコンスタントに小~中規模の仕事をいただいてましたが、特異なのが10月~12月です。年間を通して4本しかない「大規模」が4本立て続けに入っていました。大規模となると目の前数ヶ月で準備するのではなく、少なくとも半年前から本格的に動くので、この表以上に春先~夏まではタスクが多かったことになります。
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受託体制の強化
4月時点で、大~中規模の仕事が年末に向けて多く入ってき“そう”でした。結果的には、小規模仕事が想定より増えたので、さらに多かったわけですが、それはあくまで結果論です。4月時点では“見込み”だったわけで、秋になってまた感染症がわけのわからないフェーズに突入して全中止なんかもあり得ました。
ただ、このまま突っ込んで全部が同時進行したら、自分だけでは対応しきれないのも事実(家やプライベートを犠牲にすればできなくもないのですが、それは個人的に論外)。そこで、4月にある決断をしました。業務委託で僕の役割を分散させることです(こういう決断を一人でするのが、経営者の大きな仕事なんだと身をもって実感しました。決断めっちゃ恐かった…笑)。
11月にある大規模なイベント1つに専属でついてもらう方を1名。中規模事業や僕の補助など、小回りを効かせていただく方を1名、計2名に5月から稼働していただきました。
これが結果的に大成功で、5月より1ヶ月でも遅かったらアウトなほどの業務量が6月以降に襲ってきて、前述の通り想定していたすべての事業+αが仕事になりました。
今も、1名の方には「契約ディレクター」として継続して動いていただいており、僕の業務負荷は大きく軽減されています。その分、ディレクション以外の仕事(経営、経理、営業、広報エトセトラ…)にも比重を置くことができています。また、来年以降受けることができる仕事のキャパが増えたことにもなります。
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収益
1年目と単純比較できないのですが(理由は後述)、収益の推移はこんな感じ。
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売上は2.8倍、支出は4.6倍、利益は1.6倍でした。支出の割合が増えて利益が減った理由は、業務委託したことが大きいです。
繰り返しになりますが、業務委託をしなければ仕事が回りきらないだけでなく、その他経営等の業務に手がつかなかったり、来年以降の仕事も増やす土台ができてなかったと思います。そう考えると、4月にした決断はベストオブベストだったと自画自賛しています。笑
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法人化
2名へのディレクション業務外部委託の他にもう1つ、経営的に大きな決断をしました。法人化です。
本業として確立していくなら、どこかのタイミングですることになると思っていましたが、想定しうるなかでは最速でした。8月には税理士さんと面談をして準備を開始。10月3日に「株式会社ロックスパーク」設立と、一気に駆け抜けました
法人化した最大の理由は信用です。独立してからこれまで、何者でもない僕に仕事をくださっていたお客さん、および協力会社さんたちには、感謝してもしきれません。ただ、どうしても個人だと、受けることができる仕事の入り口が狭くなってしまうと感じていましたし、規模も小さくなりがちです。“法人ではないから”という理由だけで門前払いになる事業があるのだとすれば(幸せにできる可能性のある人がいるのであれば)、法人化すべきだと思いました。
また、この仕事は僕の想いが発端ではありますが、僕の想いや能力、幅に留まらないものにしたいし、すべきだとも思っています。
そして法人化して2ヶ月経った今となっては、法人化することがいかに社会的責任を全うする存在なのかを痛感しています。覚悟という意味でも、法人化してよかったです。
この法人が理念に沿った活動を広げていければ、それだけ幸せの総量が増えると思っています。そのために、法人としていかに維持、拡大をしていくかを考え、これまで2年間の“最低限僕と家族だけが”生活できれば良いという甘えを捨てて、経営について考えていきます。
※法人化にあたり、これまで貯めてきたお金をある程度注ぎ込みました。たまに「どのくらい儲かってるの?」と聞かれることもありますが、お金が最重要なのであれば、2年前会社員を辞めてません。この2年でできたであろう貯金(給料)分の収入にはまったく至っていませんし、その“至っていない分”のなかから資本金を捻出しているわけですから。そして、法人化するにあたって支出も増えるので、身入りも減ります。
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来年に向けて
2022年にいただいたお仕事も、法人として再出発するこの段階で、一旦整理しなければと思っています。同じようにお受けできる仕事もあれば、ご相談する仕事も出てきます。
僕は「八方美人」な性格だと思っているのですが、それは僕個人がなんとなく生きていく分にはいいとして、「法人としてそれではいけないのでは?」と思うようになりました。どこかで無理をする必要が出てきて、それが僕だけでなく法人に影響を与えてしまうからです。ひとつの目標は「六方美人くらいにしとく」ことです。
今年いただいたお仕事のうち、いくつかはすでに「来年も」というお話をいただいています。また、新規でご相談をいただき、見積を提出している案件もいくつかあります。まずは、条件が合ってお受けできた仕事に”法人として”フルコミットすること。それ以上にお仕事をいただけそうであれば、組織体制を強化していくこと。これらのサイクルをしっかり回して、法人としての地盤を整えていきたいです(急拡大は目指さない。”結果として”急拡大になるのはOKだけど、自分含め目の前の人を疎かにしない)。
上記を大前提として、隙間の時間に人に会いに行く時間を増やしたいと思っています。そこで何か課題があるかもしれないし、吸収できることがあるかもしれないし、繋がることもあるかもしれない。ディレクターは、多面性が大切な要素のひとつだと思っています。それらを掲げる会社である以上、面を増やし続け、”人”に会いに行くことが重要です。
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最後に
2020年の後半、独立を決意したときには、「1年後まったく鳴かず飛ばずだったらすぐ撤退しよう」とすら思っていたので、2年後にこんな展開になるなんて想像だにしていませんでした(その2020年前半には独立すら考えていなかったのだから笑)。
何度かnoteに書いてきましたが、僕のこの道は、高校2年生で仲間と市民マラソンに出たときから、あるいはもっと子どもの頃走るのが大好きだった頃から、ここまで地続きで続いてきました。ただ、ここで大きな転換点を迎えているように思います。僕個人の想いは法人を起こし、法人として育っていくフェーズになりました。
僕の想いはほぼ平行線で続いていくわけですが、それでも少し分岐した2つの道になります。その、分岐した道を大切に育てていくこと。そのスタートが2023年です。
(2022年12月29日)
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余談
独立したり、会社を設立して「順調?」と聞かれることが多くあります。
今のところ目先の仕事は順調だけど、1年後どうなってるかわからないし、長期的に見たら不安定。理想は1%くらいしか追えていない感覚です。
では、独立しない方が良かったかと言えばそんなことなくて「自分の意志と脚で進んでいること」が、ここまで記載した矛盾やマイナスを補って余りあるメリットであり、すべてとも言えます。
理想は遥か遠くとも、それに向かって確かに進んでいる感覚はあります。「順調」という感覚は、もしかしたら一生しっくりこないのかもしれないです。
自分の人生を確かに歩み続けてたら、結果的に独立になった。会社つくるに至った。それが今のすべてです。
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地元×スポーツで独立した人の試行錯誤
地元で、地域×スポーツ分野で独立した僕の現状報告や試行錯誤を記していました。
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