ギタリストだった先輩が楽曲とは別に、われわれ後輩へと残してくれたもの
巨星墜つ
元号が、平成に変わった1989年の暮れ。
ふとしたきっかけにより、群馬県の自動車工場で働くことになりました。
それまで九州を出たことはなく、日常会話でなんの疑いもなく使っていた「なおす」や「はわく」といった動詞が、全国共通語ではないことをそこで初めて知るのです。
そして、ラーメンのスタンダードが『豚骨』ではないことも…
2023年1月29日、シーナ&ザ・ロケッツの鮎川 誠氏が、すい臓癌のため死去されました。
享年74歳。
『めんたいロック』の話は、いろんな人がされていると思いますので、ちがう視点の話をします。
九州の片田舎である福岡県・久留米市に生まれ、『花の東京』で一旗揚げられた同郷の大先輩であります。
久留米市の人口は、20万人程度(今は市町村合併して30万人)の中核都市ですが、そのような地方の小さな街にもかかわらず、石橋 凌氏、松田 聖子氏、チェッカーズの面々、田中 麗奈氏、吉田 羊氏などなど…数多くの芸能人を輩出してきました。
彼らは地元民の誇りではありますが、メジャーになると変わることが1つだけあります。
それは、売れるとテレビ画面の向こう側で東京弁(標準語)を話しだすのです。
「それ、なおしとって」や「そこ、はわいとって」とか言われても、大半の人たちには「なんのこっちゃ?」となるので、当然っちゃ当然のことですけど鮎川さんはちがう。
上京してからも、ほぼ筑後弁で押し通すところがロック。
しかも米国人とのハーフだから、見た目と発する言葉とのギャップが萌える。
関西芸人のなかには、東京に進出しても素のままの人はいますが、それは近畿圏という人口の多さと東京への『対抗心』のなせる技だと思っていて、中央から見たらへき地の九州を表に出している、全国区の芸能人はほとんどいません(有名どころであえていうなら、ユーチューバーのレペゼンくらい)。
おのぼりさん上等
インターネット網の発達による、SNSを使った『一億総発信社会』において、2つの大事な要素。
『何』を言うのか?そして、『誰』が言うのか?
内容のクオリティについてはヒト・モノ・カネが物理的に集中している東京民にアドバンテージがあるように思えますが、こと発信者のブランディングに関しては方言を話す地方民に軍配が上がる気がするのです。
むかしは、『田舎もん』とバカにされる弱点でしたが…
ダイバーシティがどうのこうのいってる今の世の中で、地方出身の人間が標準語っぽいイントネーションで、標準語っぽい言葉をしゃべるメリットはなにもありません。
ブランディングといえば、鮎川さんの『差別化』は俗語以外にもアイコンのサングラスがあります。
もうずいぶん前の商品なので在庫はなく…『ポチらなければ存在価値なし』のこのnote、“パリミキ”IKI600以前によくかけていた“レイバン”の、
ウェイファーラーへと矛先を転じることにしました。
サングラスの王道“レイバン”の中でも、『不朽の名作』ウェイファーラーの種類は多く、2次流通市場にはパチもんも多い。
当方、顔のつくりがメリハリのない典型的な『黄色い猿』ですので、フルフィット(サルフィット)モデルにしておいた方が収まりはいいにきまってます。
そして、売り手。
個人売買だとニセモノがまぎれ込むリスクがあり、高評価の多いメガネ専門でやっている人から買うのが無難。
思い立ったが吉日、メルカリに行くと理想のモデルを理想のセラーが売っていました。
『一粒で二度おいしい』調光レンズの付いた、ウェイファーラーRB2140Fのドーパミン放出は98%。
ネームバリューとコストだけみると、リピート買いしてしまいそうなレベル。
カタチだけでも、少しは先輩に近づけたやろか…
群馬を皮切りに、神奈川、沖縄、愛知と『流浪の民』になりながらも、各地で気心が知れた人とは自然と筑後弁で会話しているアイデンティティは、郷土の先人から受け継いだDNAみたいなもんです。
しみったれとったらロックじゃなかけん、最後にベースリフがヤバいこの曲で締めたいと思います。
謹んでお悔やみ申し上げます。
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