廃校は植物工場に不向き
MD-Farmを創立する前に、いちごカンパニーという会社で、廃校となった小学校を利用して、イチゴの植物工場の開発をした経験を話したいと思います。
約10年前のその当時、イチゴの植物工場は黎明期で蛍光灯を使ったイチゴの植物工場はあるものの、成功事例とは言えないレベルでした。
「一期なりの美味しいイチゴを一年中、安定的に生産できるシステムを開発したい」という考えから、廃校を利用しました。
よく廃校などを植物工場に転用しようという話が出ますが、個人的には良いアイディアではない印象です。
まず廃校は市町村などの管理財産で、教育財産?(管理項目名はうる覚え)から一般財産に変更しなければならず、議会承認が必要だったと記憶しています。
この行政の手続きに時間がかかることと、一部の政党から反対が出やすい場合も想定されます(実際にあった)。
今度は運用となると、研究施設などでは問題ないですが、工場施設となると学校としての消防法の要件から、工場としての要件に変わるため、スプリンクラーの設置義務とか大幅な改修工事が必要となります。
これには面積要件があるので、指定面積以下なら必要ないのですが、そうすると小規模なものにしか転用できません。
これからの状況を踏まえると、以下のような場合であれば廃校を利用することも有益です。
・小規模な、商業的な利益を追求しない植物工場
・実証実験など生産量を求めない、研究室的な位置づけの植物工場
実際に建設に携わってない人は、安易に活用方法を考えるのケースが多いのですが、実際の法令に照らし合わせた活用方法を考えるには経験者や知見者のノウハウが必要で、簡単ではないと言えると思います。
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