植物工場の水:藻は必ず発生する
植物工場でよく“水の循環”をしっかりとして、節水やSDGsに寄与していますという表現がされるケースが見られます。
長年の研究、実証実験からそれが実際は全く異なる結果につながることを確認してます。
・水の循環させるには莫大なコストが必要となる
簡単に循環としても、循環させるだけの配管や回収した水から不必要になった養分を除去して再利用するには莫大なコストが必要となります。
例えば、排水を使える水にするには、高性能なフィルターに通して、使用できる水にするのですが、この水は回収した水すべてが使えるわけではなく、一般的な7割くらいと言われており、3割は廃棄しなければなりません。
再利用できる7割も純水でpH値が中性になりますので、植物に与えられる弱酸性にするために、pH調整剤を投入します。
この再利用工程を経て、やっと再利用できる状態になります。
コストだけを考えると、水を使用したら、排水できる状況にして処分した方がコストが安くなるのは必然です。
・循環できる配管システムのメンテナンスがたいへん
水を循環させていると必ず“藻”が発生します。そもそも栽培する作物への栄養が入っている水なので、藻が発生し易い環境にあると思います。
藻は光を受けると、急速に発生、拡大します。ここで問題なのは、光がなくとも暗室といえるパイプ等の配管の中でも発生することです。
もちろん、光が当たっている時とよりも発生するまでのスピードは遅いのですが、必ずと言っていいほど、藻は発生します。
藻が発生すると、パイプ詰まりをお越し、栽培に多大な影響を与えます。
よって、この藻を除去する作業が定期的に発生することになります。
これがもっとも大きなコストを発生します。
細いパイプは清掃するのが困難で、いちいち取り外して清掃するとなると時間もコストも莫大、いっそ新しい配管をしたほうが安いのではないかと思えるほどです。
さらに問題は、このメンテナンス中は、栽培システムを止めなければ行けないという大きな弱点を抱えています。
MD-Farmでは、排水のない次世代型灌水システムを構築
MD-Farmでは、前述の弱点を克服するために、イチゴの苗に必要な量の水だけをCC単位で灌水し、排水の出ない栽培方法を確立し、運用しています。
排水がないため、排水設備もいらなければ、使用する水の量も最小限になっています。
最大のコスト要因である循環システムも必要ないため、大幅なコストダウンが可能となっています。
水の使用を最小限にしつつ、設備コストも最大限少なくし、メンテナンス自体を無くしていると言った今までにないコストと循環型社会の両立を成し得た次世代型灌水システムが誕生しています。