映画「BLUE GIANT」の主人公は誰なのか
4月7日、少々遅めではありますが原作は小学館にあります映画「BLUE GIANT」を鑑賞した。製作は幼女戦記などを担当したNUT。
(一応補足しておくと私は原作を読んだことはなく、この作品に触れるのも聞くのもこれが初めてだ。だから今作を一映画として考察していきたい。)
今作はジャズを愛する少年、大が仙台からサックス一本で上京しそこで様々な仲間と出会い、日本最高のジャズクラブである「so BLUE」で演奏することを目指し奮闘するといったもの。
まさに青春ど真ん中の青すぎる映画で、その夢に向かって真っすぐに進んでいる姿が、大人になってからの方が響くのだろうか、映画館からはすすり泣く声が聞こえてくるような映画でした。
さて、あらすじだけを聞くと仙台から出てきた田舎者の大が東京で成長していく物語なのだろうと想像できるし、実際始まってからもそう思っていた。
あるシーンが始まるまでは。
物語は、大がジャズのライブで天才ピアニスト沢辺雪折と出会いバンドを組むところから動き出す。
「お前の演奏聞かしてみろよ、下手だったらバンドは組まねえ」
そういう雪折は試しに大のサックス演奏を聴くことになる。
ここで雪折はすでに大がサックス歴が浅い事を知っており若干なめた様子なのだが、
彼の演奏が始まった途端雪折もそして観客すらも納得する。
ああ、彼は完成されている。
演奏が終わった後、大を無理やり店から追い出した後雪折は泣くのだ。
本物の天才に出会い、才能がない奴は何しても無駄と豪語していた雪折はまさにそのブーメランが帰ってきてしまう。そこから彼は、大とバンドを組み振り回され演奏していくことで、人を見下してしまう事で出来なかった、自身をさらけ出した内臓をぶちまけたような演奏ができるようになり本当の天才になっていく。
この映画において大の成長というのは一切描かれない。ひたすらに大のジャズへの、夢へのアツい思いが周りを動かし観客を動かしていく。
主人公は大以外のキャラクターと言ってもよい、玉田の成長特によかった。
館長みたいな人、もっと増えればいいのにね。あと演奏シーンえぐい。引き込まれる、没入するとはこのことかとおもうような演出だった。
ジャズは感情の音楽、自分も自分を表現したときに熱量を感じ取ってもらえるほどアツい生き方をしたいと思ったものだ。
とにかく、ぜひ原作もみたくなるような作品でした。
後、後半さすがに泣くシーン多すぎて涙引っ込んでしまった。もらい泣き狙いすぎでは。
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