花粉症のメカニズム
今日は陽もあまり射さず、ひんやりした感じです。
花粉症についてお話します。
花粉症は春や秋の季節の変わり目にみられます。今回は花粉症の化学的なメカニズムについて解説しましょう。
花粉症は、花粉(抗原物質)に対して特異的に反応するIgE抗体が白血球や肥満細胞に情報を伝達することで始まるアレルギー疾患です。
白血球の中の好塩基球や肥満細胞の表面のIgEに花粉が付着すると、ヒスタミンやロイコトリエンといった化学物質が放出されます。
ちなみに、肥満細胞とは、成熟前の好塩基球が血管外の組織に出て活動している細胞で、その性質は好塩基球とほぼ同じです。
ヒスタミンやロイコトリエンの共通した作用は、毛細血管が拡張し、粘液の分泌が促進され、知覚神経を刺激します。さらに、血管の壁の性状が変化して、血液中の水分などが血管の外に滲み出し易くなります。(血管透過性の亢進といいます)
ヒスタミンやロイコトリエンの作用によって、鼻の粘膜から粘液の分泌が多くなり、水鼻が出るようになります。鼻粘膜に分布している知覚神経を刺激して、くしゃみが出るようになります。
さらに、血液中の水分などが滲出して、鼻粘膜がむくみ、鼻詰まりが起こるようになります。この水鼻、くしゃみ、鼻詰まりは、花粉症の3大症状と言われています。