好きだけどお別れした人
2022年大晦日、夫とふたりでだらだら宴会をしながら、
紅白以外のテレビ番組で何かないかしら?と探し当てたのが、
「ビルボード1983〜2022」。
https://www.tvk-yokohama.com/top40/
洋楽ファンには言わずと知れた、洋楽ランキングの紹介番組。
司会の中村真理さんは「同一司会者による長寿音楽番組」というカテゴリーでギネス世界記録に認定されている。1983年から2000回以上収録しているとのこと。すごい。
洋楽はアマゾン・プライム・ミュージックで流し聴きをするくらいで、まったく詳しくない。なので「アメリカではどんな歌が流行っているんだろう?」という軽い興味で見てみたわけだが、想像どおり、というか、想像以上に知らない歌手&歌ばかり。しかも最近の全米トップはラップばかりなんですね、ラップの魅力って、いまいち分からない。世代的な感覚の違いだろうか。
そんな中で流れたジャスティン・ビーバーの「Love yourself」にちょっとホッとした。やっぱり、こういうシンプルでメロディアスな歌が好き。
そして、「君はもう僕から離れ、自分自身を愛せばいいさ」みたいなサビの歌詞に、ちょっと胸がズキンとした。
2022年、私はこれまでずっと心を悩ませてきたある人との関係をいったん手放すことができた。
その人の意地悪で我がままで自分勝手な言動に、私はいつも振り回されてきた。これまで許し続けてきたのは、「ゆがんだ愛情」のせいであり、「その人と付き合うことで得られる楽しさ」に目が眩んでいたせいでもあった。
でも今年、勇気を出して、その人に自分の本心ーーたくさん傷つき、嫌な思いをしてきたことーーを正直にぶつけた。
その人は怒り、私たちは友人関係を解消することになった。
ところが、しばらくするとその人は再び私に連絡をしてきて、「また会って話したい」という。これまでのように私がすぐ仲直りに応じると思っている。
その人の孤独は痛いほど分かる。だから可哀想だとは思う。
でもこの状況を招いたのは、あなた自身なんだよ、と伝えるしかない。
ここでまた仲直りして、元のように付き合い始めたら、同じことの繰り返しになるだけ。だから、You should go and love yourself.
どんなに好きでも、お別れしなくてはいけない人はいる。
すごくつらいけど。
「もう許してあげなよ」とささやく自分の声が聴こえるけど。
でも私は、その人といる時の自分がとても嫌いだった。
怒らせないよう顔色を伺って、お世辞ばかり言って、理不尽な要求を受け入れて。あのときの自分とはもう会いたくない。
人間関係って本当に難しい。改めてそう思う。
誰もが「自分らしく生きたい」というエゴを持ちながら、ある程度は他人に譲歩しながら、うまく折り合いをつけていかなくてはならない。
どうしても自分を曲げられず、人と衝突することは少なからず起こる。
でも心に留めておくべきは、「親しい人たちとの関係の維持」が、自分にとってどれだけの恩恵をもたらすかということだ。
自分の我を通すことで、大事な人間関係を失ってしまうようなことがないようにしたい。
どん底の状態にあるとき、人の心を温めるのは、親しい人と過ごす何気ない日常にほかならないから。
2023年、自分にとって大事なものを見極め、それを大切にできますように。