日本のフリーランスよ、立ち上がれ
一体いつになったら「単価」を見直してくれるのさ?
2年ほど前、業務委託で仕事を請け負ったとき、部署のトップの方から「初めのうちは単価〇円で、その後、見直しますので」と言われたが、見直されることなく今日に至っている。
スケジュールは厳守、レスポンスは早く(週末も国民の休日も対応)、無理な納期でも引き受ける、完成度を高くする、など、できることはすべてしているが、それでも、である。
おそらく、こちらから切り出さなければ、絶対に上げてもらえないだろうと思うのだが、
「単価を上げて、仕事量が減らされたらどうしよう」
と思うと、切り出せずにいる。
フリーランスに「あるある」の悩みである。
なぜ単価交渉できるにいるのか?
以前、勤務していた会社でも業務委託でお仕事を依頼していたが、たまに「この仕事は手間がこれくらいかかるので単価を上げてください」とはっきりおっしゃってくる方がいて、その場合、十中八九、単価を上げていた。
しかし、その人の仕事がずば抜けて素晴らしくない限り、確実に依頼量は減少した。
なぜなら、ほかの人なら同程度の仕事をもっと安く請け負ってくれるから。
ここに、一番の問題点があると思う。
必要なのは「フリーランスの意識改革」?
ようするに、今の日本には、フリーランス一人ひとりがもっと自信をもって主張できる文化が育っていないことに問題があるのではないか。
現状、フリーランスが自ら「弱い立場」を甘受して、みずから安く使われる状態を(仕方なく)受け入れてしまっている(私も含めて)。
必要なのは、全員が自分の仕事を誇り、堂々と主張できる雰囲気が醸成されることだろう。
誰もが普通に定期的に「単価交渉」を行えば、企業側も従わざるを得なくなる。たとえ、嫌々ではあっても、正当な対価を支払うようになるはずだ。
私の理想を言えば、以下を企業に義務付けてほしい(相当ムリな要求だが)
企業側に配慮してほしい点
大半の企業(とくに大企業)は、フリーランスを「無責任に安く使える労働力」としか思っていない。
私がやりとりしている企業の場合、大企業勤務の社員の4割が「すごくえらそう」で、下級社員ほどその傾向が強いのは面白い(トップに近い人ほど人格的にまともな人が多い)。
話がそれた。
とにかく、大企業は安定の上にあぐらをかいていないで、せめてフリーランスが気持ちよく働けるよう、配慮してはどうだろうか。
私が過去に会社では、世話になっているなあと思う外部の方々には、年に数回、飲み会を開いて労をねぎらっていた。
素晴らしい仕事をしてもらった際には、上司が直接、お礼を申し上げることもままあった。
しかし私が現在仕事をしている「超大手企業」は、そうしたことが一切ない。納品時に末端の社員から「今回も感謝します」とメールをもらうことはあっても、正直、まるで響かない。
正社員で多額の給料をもらっているあなた方、仕事を外部スタッフに安い料金で丸投げしておいて、心は痛みませんか、と言ってやりたいが、おそらく彼らはフリーランスの心情など1ミリも気づいていないだろう。
今年4月末、「フリーランス保護新法」が成立した(施行は2024年秋頃)。
この新法対応を機に、フリーランスの待遇改善が進むことを強く願っている。