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【day10〜12】 悲しもうと思えばいくらでも悲しめるし、

2023年9月25日(月)

24:秋分 72雷乃収声(かみなりすなわちこえをおさむ)🌓月齢8.1  5:32〜17:35

いずれ金沢の日の出日の入り時刻にしなくちゃなと思う。今は東京基準。

昨晩眠るとき、またなぜか少し胸が痛く不安なまま床についたが、眠れた。
私はこんな夜をいくつも越えてきた。

大地震の夢で一度目が覚める。信じられないようなドラマチックでおそろしい、終末のようなオリジナルの緊急地震速報の音が鳴り響くなか、机の下で夫と震度8に耐えるという夢。直後は、そのメロディを覚えていたのだが。

はっと目を開けると、隣に夫の寝息がきこえる。
遠くないうちに私は、誰かの寝息を数か月に一度しか聞けなくなり、おそろしい静けさの中でひとり眠ることになるのだ。
ちなみに、うちの猫は人の寝床では眠らない。前の猫のように、枕元で眠ってくれればよいのだけれど。

東京残留を選ばなかった理由のひとつとして、地震の不安がある。夫がいるならまだしも、ひとりで災害の多い土地にいるのが、けっこうシャレにならないくらい怖い。金沢は災害が極めて少ない(近年能登がよく揺れているが)。

ようやく仕事の忙しいピークから解放されつつあるようだ。
仕事の合間に、つい物件を探す。築123年の借家など見て惹かれてしまう。今度こそいくらか新しい部屋に住もうと思っているのに。
いくら水回りが新しくなっていても、さぞ寒いだろう、寂しいだろう。

真っ暗になる前に職場を出る。首を傾げる。はて。先週までと何かが違う。そして気づく。「暑くない!」。
帰りにスーパーに寄って、ひとパック500円のいちじくを買うかどうか悩む。夫はあまりいちじくが好きではない。家にバナナもりんごもある。が、食べたい。 
結局買った。このような買い物を自分に許していくことが、ひとりの生活を救うと思ったからだ。
いちじく、美味しかった。単体でスイーツのよう。

ふと南の窓を見ると、なんと、最近とんと現れていなかった、あの「真南の光」が輝いているではないか!
東京にいるあいだにやっておきたかったことのひとつが、あの光を追うことだ。
光は19時前に見つけ、21時をすぎてもまだ光っている。時に白っぽく、時にオレンジっぽく、色も変わっているように見える。
やはり秋冬限定の現象なのだろうか。寒くならないうちに、あの光を追いにいけるだろうか。
別に正体はわからなくてもいい。ひとりで追うこと、その時間を作ることがきっと大切なんだ。

真南の光。
上にある月ではなく、下の煙突のようなものの横に光っているのがそれ。

夫は仕事の後ジムに寄っている(と思ったが仕事が長引いて行かずに帰ってきた)。ひとりの夕飯後、ちゃぶ台の横でゴロンとしていると、ミヨちゃんが近づいてきた。
毎晩、食後にゴロンとする夫の腹の上にのっかて、ふみふみするミヨ。
私も夫の定位置につき、彼女を呼んでみた。けれど、私のお腹の上には乗ってくれなかった。数日ぶりに泣いた。私は夫にはなれない、彼女は大切なお腹を失ってしまう。

生まれてから3年間、次々飼い主が変わる運命を辿ってきた彼女らに、また喪失を味わわせることになるんだ。本当に、本当にごめん。私だけは、ずっといるからね。

シェアオフィス時代のスイ。
2歳のはずだが今よりなぜかかなり小さい…?

2023年9月26日(火)🌤やや暑い

よく眠れるようになった。昨晩は、いつものオガトレさんの肩甲骨ストレッチをやっている途中で、眠気に耐えられなくなって寝た。

朝から、SNSの「夫愚痴アカウント」(というジャンルがすでにあるのだろう)を見てしまう。
が、家事しなさでいえば、うちの夫もおそらくそれほど変わらなくて、子どもがいなくて私があまり働いていないからなんとか穏便にいっているだけなのかもしれない。

夫と離れることを、悲しもうと思えばいくらでも悲しめるし、恋しいと思えばいくらでも恋しがれる。
ひとり暮らしが楽だなと思えばいくらでも気楽でいられるし、これまでの憎たらしかったことや、二人分の家事の大変さにフォーカスすれば、いくらでもこの機会にせいせいできる、そんなものなのかもしれない。

何よりお互い、ひとりにすっかり慣れた頃に再び一緒に住むとなると、その時に困難が発生するのかもしれない、と、もう5年先のことまで考える。

少し前の日記を読むと、もうこの築55年の賃貸マンションと共に朽ちていくしかない運命を受け入れて、少なくとはここにあと15年は住まなくちゃ…と、なんとか自分に言い聞かせていた。
新しい物件に引っ越したところで、東京で狭さをクリアするには夫を動かすか、金を積むしかなかったわけで、今回のことがうまくできた神の采配であったとも思う。不安は山ほどあるが、非情な運命とはまったく思わない。

猫の皮膚の薬をもらいにいくとか、マイクロチップを入れたほうがいいのかな…とか考えながらも、なかなか切羽詰まらないうちは動けない。
ひとまずこれまで考えた、引越しに伴う重要事のメモはこちら。

・年があけてから金沢へ部屋探しへ行く。なるべく中心部で、かつ実家にバスでも行ける場所で探す
・夫の両親にも会う必要がある
・夫も一時、下見で家をあける
・猫2匹をふたりで連れて、新幹線で金沢へ引っ越す。夫はその後東京に戻り、自分の引越しをするが、そのタイミングがどうなるかは不明
・夫の家具家電はすべて職場が用意してくれる
・夫は会社が用意したトランクルームに荷物を預けることが可能。が、できればなるべく手放す。バイクは売る
・私が引っ越してから夫はしばらく何もない部屋に生活してもらうことになるが、ベッド、テレビ、電子レンジ、ケトル、毛布等はこれを機に手放すので、最後まで使ってもらってから業者に引き取ってもらう(しかし冷蔵庫と洗濯機はない…カーテンもないかもしれない)
・引越しが今のマンションの更新の1〜2か月後になるが、仕方ない
・入居前に父にバルサンをたいてもらう。その後布団を一式借りる
・引越し屋より先に私たちが着いてしまうので、最重要猫グッズなど(トイレ、砂、フード、器など)は、当日午前などに置き配してもらい、入居即設置する
・買うものは、テレビ、テレビ台、自転車、電子レンジ、ポット、ヨガマット、立って使えるアイロン代、レコード用カートリッジ、洗濯物干し、照明、部屋によってはベッド、仕事によってはプリンタ
・クルマはサブスクを利用する
・Wi-Fi(ソフトバンク光)は東日本から西日本に引っ越す際、手数料を少し払えばOK。夫の口座引き落としなら、名義そのままで使える。夫にはしばらくデザリングを利用してもらう
・ごはんは当面サブスクも利用する
・ディアウォールがそのまま使えるかどうか、入居前に天井高を測る

ほかは、通常の引越しと変わらないだろう。
猫と人間の病院探しとか、まだ懸案事項もある。
ちなみに、もちろんまだ部屋は決まっていない、というか、年が明けるまで探すわけにもいかない。ふー。

午後、SNSをいっさいやっていない旧友からたまたまLINE。今後のことを伝えると非常に驚いていた。
東京で会っておく人、行っておく場所も、少ないようでけっこうある。
あと半年。まだ朝ドラ1クールを夫と観るのだと思うとかなり先のようにも思うが、半年前といえば『舞いあがれ!』の終盤に竹井さんが出てきた頃である。つい最近のようにも思える。


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