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50mmで撮る山のぼりの世界〜瑞牆山〜

さあ、アルプスの夏だ!
と、毎日のように天気予報とにらめっこしながらのぼれる日を愉しみにしていたが、なんということか行けるときほど天気が危うい。
アルプス初心者の私としては、山で雷雨は怖いし、疲労している下山で雨なのも不安はある。
そうしてのぼれない日々が続いていた。

そんな折、アルプスへ!と、友人と約束していた8月下旬の一日だけ晴れマークの山があった。それが山梨県北杜市に位置する瑞牆山だ。アルプスは残念ながら雨マークだったが奥秩父山塊は天気の神様が微笑んでくれていた。
瑞牆山は昨年の7月にのぼったが、まさに岩山アスレチック!
整備されているが階段ではなく、安心してのぼれるが岩のぼりを日帰りで愉しめる人気の山だ。

ルートやアクセスについてはこちらの記事にまとめてあるので参考にされたい。

いつもは記録として写真を撮っているのでズームレンズを連れて行っているが、今回は50mmの単焦点レンズをお供に連れて行った。
私が使用しているカメラとレンズも合わせて紹介したいと思う。


ー 使用カメラとレンズ

私はプロカメラマンでいつもは人物の撮影を行なっている。
その時に使っているのはニコンの一眼レフD850だ。ニコンはフィルム時代からずっと愛用している。
D850は決して新しいボディではないが、一度も壊れたことはなく使いやすい上に仕上がりも好みで気に入っている。
しかし、一眼レフは重い。
山ではできるだけ荷物は軽くしたいので、山用にミラーレスを購入した。
選んだのはZ6Ⅱ。
レンズはマウントアダプターをつければ兼用できるが、一眼レフ用のレンズもやはり重い。
結局レンズもミラーレス用のレンズを購入した。
初めは夜空に浮かぶ星も撮りたいと広角ズームの14-24mmを購入。f2.8なので星を撮るには暗いのだが、ズームにしたかったのでこれを選んだ。
しかし、そのうち望遠も欲しくなる。
迷いに迷って、24-120mmのf4も購入した。欲を言えばもっと明るいレンズがいいし、もっと望遠も欲しい。しかし、欲求が高まるほどに重くなる。
その点、24-120mmはそこまで重くはないし山の記録を残すにはバランスのいいレンズで、今はこれを欠かさず持っていっている。

今回は24-120mmではなく、一眼レフ用Fマウントの50mmのレンズにマウントアダプターをつけた。マウントアダプターをつけると重いのだけど、単焦点は軽いので負担も少ない。

カメラの話が長くなったが、そんなわけで今回連れて行った50mmのレンズでみる瑞牆山を紹介したいと思う。

ー 瑞牆山にのぼる

駐車場のある瑞牆山荘までは舗装されたアスファルトの道で運転もしやすい。瑞牆山は日帰りできる2000m超えの山。
早朝から車を走らせても間に合うが、今回は友人との山行だったので車中泊を選んだ。
須玉ICから40分ほどかかるのと真っ暗ゾーンが長い上に霧がかすめるようにかかり、なかなかの演出にとにかくしゃべって怖さを払拭。
一人だとかなり怖いかも。
駐車場は県営無料駐車場(100台)と瑞牆山荘の横(トイレの横あたり)に未舗装の駐車場(20台)がある。他にもあるようだが場所がよくわからない。瑞牆山荘に隣接している駐車場は車中泊が禁止なので県営無料駐車場で車中泊をした。
台風シーズンの最中、貴重な晴れだから混んでるかなと思いきや車は2台だけだった。平日は秋やお盆でなければ混まないのかな。

車中泊にもすっかり慣れ、それなりによく眠れた。
5時半ごろ目が覚め、まずはきれいな水洗トイレをお借りしのんびり朝の支度を整える。
6時半に身支度を終え出発。

富士見平小屋まではそこまで急登ではないが、久しぶりであったし朝のうちはちょっとののぼりでも息があがる。
ちょこちょこ水分休憩しながら1時間ほどで小屋に到着。

富士見平小屋を過ぎてからは、トラバースを進みくだっていく。この辺りから、50mmが顔をだす。

顔を出しているちっちゃな芽にたまらなく惹かれる

くだり切り川を渡ると桃太郎岩がお目見えする。
ここはサッと過ぎ先へと進む。

遠慮気味な紅葉と
主張する草木

派手に目立つ大輪よりも、ひっそりと強く逞しく生きる小さな草花や落葉に心を奪われてしまう。

桃太郎岩を過ぎてからは段々と岩山らしさが出てくる。
鎖場もいくつかあり心が踊りだす。
そう、ボルダリングをはじめたおかげで体の使い方がちょっとうまくなったように思う。バランスの取り方や石をつかむ位置など、前とは違う自分を感じてますます嬉しくなる。

残り標高差200mを切ったあたりから、あたりの岩がどんどん大きくなる。

草と岩と光

草たちの生命力にはいつも感動させられる。草を見ているとどこだって生きていけると思ってしまう。

ハシゴは2つあったかな

50mmで撮るとハシゴにもアートを感じてしまう。
昨日の雨で岩は濡れている箇所も多く滑りやすいから要注意。

まるでビッグサンダーマウンテンかインディージョーンズを思い出させる岩たちをのぼり切ると、、、
待っていたのは霧で真っ白なてっぺんだった。

これはデジャブ?

この友人と前回のぼったのが編笠山。てっぺんは見事に真っ白だった。
しかし、今回の霧は必ず晴れるという確信があった。
天気予報は4つのアプリを駆使して見ている。それも二つは有料の。
どれを見ても晴れだった。霧もあるが晴れるとあった。
山の天気は変わりやすいから当たらなくても仕方ないのだけれど、今回は確信していた。
そして、買ってきたおにぎりを食べようとしたその瞬間、その時はやってきた。

ー てっぺん

八ヶ岳
金峰山

上空の霧が晴れ、雲海の上に顔をだす2000m超えの山たち。
富士山も南アルプスもてっぺんあたりが顔を出していた。
前回の瑞牆山の時は快晴でくっきり見えていたが八ヶ岳のてっぺんだけが見えなかった。
今回はそれに雲海というスペシャルなお客さんまで登場し、最高の眺めになった。
おにぎりは3口で流し込み、素晴らしい景色にはしゃぐ50代。

精一杯のポーズ
雲に乗っているつもり

人物撮影をしているくせにポーズに乏しい。
あとで記録を見たらてっぺんになんと1時間半も滞在していた。
友人と一緒だとこういう時間がたまらなく愉しい。

ー 下山へ

たらふくてっぺんを堪能しようやく下山開始。
岩はくだりも神経を使う。
私の夏用グローブは穴が開きボロボロになっている。岩好きの証だな。

ふとした光景には50mmならではの写真が撮れる。

影のカーテン
岩サンド
光の雫

山はもちろんてっぺんの絶景が最高のご褒美なのだが、途中で見つける自然の恵みはそれこそ一期一会。特に50mmだといつもは撮れない写真が撮れるので、カメラ小僧の血がさわぐ。

そうしてあっという間に桃太郎岩に到着。
てっぺんは人も多かったし、どうも安定した場所がなかったので桃太郎岩を見ながら珈琲タイムにした。

桃太郎岩
珈琲タイム

あ〜、山でいただく珈琲はどうしてこんなにも美味しいのだろう。
特別な珈琲でなくとも香りが立つし、立ち上がる湯気の先に岩を見ながらゆっくり体に沁みわたっていく。
友人がくれたナッツの塩気が、珈琲のまろやかさを引き立ててくれる。

これだから山はやめられない。

桃太郎岩から先は険しい岩もないので、おしゃべりに花が咲きながらおりていく。

木の剣
潤った石たち

瑞牆山は前半のトラバースのあたりは苔も多い。
昨晩に降った雨で潤いが増していた。

瑞牆山をのぞめるスポット
秋の光と蜻蛉

何度見ても瑞牆山をのぞめるスポットから見る瑞牆山はワクワクする。
振り向くと石の上で休んでいる蜻蛉がいた。
今年は7月から山では蜻蛉を見かけていた。
蜻蛉の季節もこの気候で長くなったのかしら。

休憩をのぞけば5時間かからずのぼっておりてこられる瑞牆山。
そのわりに岩ずくしで足を大きく上げるため、筋肉もなかなかの活躍をしてくれる。大人のアスレチック。やはり好きだなあ。
きっとまた遊びにきます。

下山後、駐車場は4割ほど埋まっていた。


距離:6.1km
累積標高(のぼり/くだり):929 / 940 m
タイム:6時間51分(休憩2時間10分含む)




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