白亜の断崖、セブン・シスターズ 1
2013年の夏(8月1日)に、セブン・シスターズを見に行きました。
セブン・シスターズというのは、イングランド南東部、サセックス州のドーヴァー海峡に臨む白亜紀の石灰岩の海食崖です。
切り立った断崖の波打つ断面が、7人の乙女が並び立っているように見えることからその名がついたそうです。
ロンドン・ヴィクトリア駅から
セブン・シスターズに行くための最寄りの駅はイーストボーン(Eastbourne)駅です。ロンドンからの出発は、ロンドン・ヴィクトリア駅からです。
電子掲示板
電子掲示板の写真を掲載したのは、イギリスでは、ヴィクトリア駅のようなターミナルの駅でも長距離バス乗り場でも、そして、空港でも出発の直前にしか行先別のプラットホームの表示が出ません。
出発時間近くなると、乗客はこの電子掲示板の近くに集まってきます。そして、出発のプラットホームを確認して急いで移動するのです。
日本のようにあらかじめ行先別のホームが確定されている訳ではありません。よって、あらかじめ早くに着いてプラットホームで待つなどということは出来ないのです。
(これは今からおよそ10年前の旅日記ですから、今は変わっているかもしれません。悪しからずご了承ください。)
1等車か2等車か
観光地に向かう列車ですから、大混雑でした。車内は満員で、立っている人も大勢いました。この列車には指定席はありませんでした。1等車もです。
1等車は、当然のことながら空席が目立ちます。空いているからといって座ると、そこは1等車だったということが何回かありました。
車体にFirst Classと書いている場合もあるのですが、そうでない場合もあるので、面倒です。1等車と2等車に見分け方は、四角いテーブルかあるかどうかです。2等車でもテーブルが付いている場合がありますが、テーブルにランプがついていると、それは、間違いなく1等車でした。
早めに乗車したので無事に、座ることができました。
と言っても、先ほど述べたように、電子掲示板にプラットホームが表示されるのを待って素早く行動したというだけのことです。
イーストボーン駅
保養地なので混んでいます。観光客でいっぱいです。
「どこが混雑しているの?」というツッコミが入るかもしれませんが、それは、ここイギリスでの話です。
駅構内は、さすがは保養地という感じです。屋根が透明ガラスなので、すごく明るく、構内にはオープン・カフェもあって、ちょっと小洒落た感じです。
屋根が透明なガラスというのは、夏でも25度以上になることがめったにない、涼しいイギリスだからこそ可能なことだと思います。
セブン・シスターズ(Seven Sisters)
駅前からバスで、セブン・シスターズに向かいます。バスがなかなか来ず、30分以上も待ちましたが、乗ったらわずか20分ほどで着きました。
セブン・シスターズのビジター・センター(観光案内所ですね)には、無料トイレと売店があります。
無料トイレは貴重で、駅でもたいては30p(当時のレートで75円)、高いところでは50p(75円)もしました。
地図をもらいました。
セブン・シスターズの白亜の断崖の全景を眺めるために、反対側の丘(Seaford Head)に向かいます。そこからの景色が絶景だという情報を得たからです。
公園内ではなく、車道の脇の狭い側道を20分ほど歩いて、私有地を通り抜けるフットパスに入りました。バス停1個分を歩きました。
パブリック・フットパス
パブリック・フットパスを示す標識です。パブリック・フットパスというのは、文字通りの意味で言えば、公共性が認められた、つまり、歩行者が私有地を通り抜ける権利を保証された歩道ということになります。
個人の敷地を通り抜ける場合には、この標識が目印です。この標識がないところに勝手に入っていくと、イギリスでは不法侵入罪で訴えられます。
牧場の中や牧場の脇を通って行きます。フットパスの脇には、有刺鉄線が張り巡らされています。有刺鉄線の先は、牧場です。白い点々は、羊さんたちです。
イギリスは、すでに造山活動が終わっているので、山らしい山が少なく、なだらかな丘陵地帯が広がっています。
フリント(flint)、燧石
歩いていると、牡蠣の貝殻に似ている石が、石灰岩に混じって露出しているところがありました。
初めて見た時には、牡蠣などの貝の化石ではないのかと思っていました。調べてみたら、それはフリント(flint)という石だということが分かりました。
壁の装飾に使われているフリント
フリントは、牡蠣の貝殻に何となく似ているのです。ロンドン周辺の建築物や塀の装飾として、このフリントが使われています。
どう表現していいか分かりませんが、とにかく独特です。
下の写真は、ロックの墓参りに行った帰りに見た教会の装飾です。
オールド・ハーロー(Old Harlow)という町というか、村の教会(St. Mary the Virgin 教会)の壁の装飾に使われているフリントです。
フリントとは?
フリントは、外見は黒曜石に似ています。黒曜石は火成岩であるのに対して、フリントは、石灰岩が形成される過程で珪素分が集まってできた石だそうです。
硬いのですが、加工しやすく、そのため、石器時代には包丁や鏃の材料として使われたそうです。
鉄器時代以降は、燧石(火打ち石)として、つまり、打ち付けて火を起こすために利用されたようです。
最後に
本日は、ここまでです。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。