34.雅歌
最近ずっと八女茶三昧な我がnoteです。
美味しいから……だってマジでどれ飲んでも……美味しいから……!仕事行って帰ったら八女茶飲もうって思うとうっきうきになっちゃうぐらいに美味しいから……。普段なら寄り道したくなるカフェ達が全然目に入らなくなっちゃいますもんね。
そんな八女茶5種パックも残すところ2種。ここいらで八女茶が八女茶たる所以のお茶を頂いてみたいと思うんですよね。
そう。玉露。
八女と言えば、玉露……!!!
八女だの宇治だのの前にまず玉露がめちゃくちゃ久しぶりです。10年は軽く飲んでない。最後に飲んだのいつだったか全く覚えてないぐらいに飲んでない。そんな久しぶりの玉露が八女の玉露で大丈夫だろうか。圧倒的Powerを浴びて灰になったりしないかな私。なったらなったで別にいいか。よっしゃ淹れるぞ!!!!
雅歌。茶ノ時の玉露です。
読みは『みやびやか』だそうです。……ここで私ようやく気が付いたんですけど。輝風は『かがやか』、麗至は『うるわし』、和日は『やわらか』。全部形容詞だ……!!多少響きをいじってるところはありますが、それぞれの茶葉に似合う形容詞に漢字を当ててるんですね。おしゃれなだけじゃなくて一貫性もある名前だったのか……。
袋を開けると……うわっ。……美味しい。香りがもう、美味しい。香りを嗅いだ時点でお茶の風味と旨味をまるで飲んだように味で感じられる。やばあああ香り良すぎる……!!!麗至や輝風に比べて青みは控えめで、むしろ井草や海苔を思い出すような少し乾いた感じの香りがします。嗅いだだけでお茶漬けが食べたくなるな……おなかすいてくる香りー……。
さて早速淹れていくのですが、ここでおもむろに。
みなさん、カフェイン含有量って意識した事ありますか?
紅茶とかコーヒーとかエナジードリンクとか、それらに含まれてるカフェインの量。詳しくはこちらのnoteで話しているのですが簡単に言うと、私は体質上カフェインに弱く、玉露はカフェイン含有量が紅茶に比べてかなり多く、普段の量を淹れて飲むと身体に障りそうだな……と私は危惧しました。玉露を滅多に飲まないので実際にそうなるかはわからないんですけど。
なので私は。
一杯分の200mlをビーカーで淹れ!!
(高級茶に対して大変失礼エクスキューズミー!!)
それを日本酒用の猪口に注ぎ!!
少しずつ少しずつ飲む事にしました。200mlが飲みきれなくても具合が悪くなってきたら撤退できる仕組みです。飲み余したら冷蔵庫に入れて明日飲みましょう。ちなみに玉露の抽出温度はどうやら流派がいくつかあるっぽいので一旦農林水産省を参考に55℃で淹れてみました。熱湯に氷一個ぽとっと放り込むというズボラをしました。
さて淹れた後の香りは……うおおお甘い香りがやばああああい……。どこまでも上品な、澄んでてでも淡くないちゃんと存在感のある甘い香りがします。猪口一杯分だというのにしっかりと香るの強すぎません?早くも帝王の気配が漂うな……では一口。
……!? ……!?!?
……待って。レギュレーションが違う……。
……お茶って……なんだ……?って思考が宇宙に飛んでっちゃうぐらいの旨味の塊。透明感の塊。私が知っている日本茶の青みとか甘みとか雑味とかそういうのとは一線を画した液体ですこれ。旨い。ただただ旨い。濃厚な旨味を……ストレートに叩きつけられる……!めっっっちゃ濃い旨味なのに何故か澄んでて軽やかなのがもう意味わかんない。質量保存の法則無視してません?後味は麗至ほどすっと消える感じではなく、むしろ普通に残ります。残るんですけど残り方が上品極まってるんですよね……。なんか、あの、例えがアレなんですけど。めちゃめちゃお高い和食屋さんでお吸い物とか飲んだ後って、めっちゃくちゃ美味しくて上品な余韻が残るじゃないですか。あれ。あの残り方をする。最早これってお茶なのか……!?出汁なんじゃないの貴方!?でもお茶なんだよなああああああなんだお前、玉露ってなんなんだ。やべぇよこのお茶……やっぱレギュレーション違反だよ……これが高級茶の"""格"""……という奴か……。
あとこれは、味とはまた違った感想になるんですけど。
やはりカフェインが多いので、私の身体だと猪口一杯でかっとキマるような感覚があります。ただ、具合悪さがほとんど来ないんですよね。普段だとこの量のカフェインを摂ると、これ以上は飲みたくないな、みたいなぼやっとした忌避感みたいなものを感じます。けど、この玉露はそれが来ない。かっと覚醒する感じはあるけど意外とダメージが少ない。そこに驚きました。玉露はカフェインの働きを緩やかにするテアニンという物質も多く含まれているので、この含有量の割にはカフェインが強く作用しないとは聞いてはいたんですけど。それは確かにあるかもしれないなと身を以て思いました。すごいな。玉露だとこういう感じになるのか。なので最初に淹れた200mlは無理なく飲めました。次からは普通にカップで一杯分淹れても大丈夫そう。
ちなみに勿体ない精神&玉露といえばなところがあるので二煎目を一応淹れてみて味見をしたのですが、味が全然わかんねぇ……。なんか一煎目の旨味があまりにも舌を殴り倒しすぎてて、二煎目から玉露感を何も拾えないんですよね。舌がバカになってるぅ……あまりに美味いもので殴られると舌ってちゃんとバカになるんだ……。でも普通のお茶の一煎目程度にはちゃんと美味しいので、二煎目でこれが出せるのもまた玉露のPowerか。
美味しかった……。美味しかったというかなんというか、何を飲んだんだろうね……本当に……。
自分が持っていたお茶という概念を根本からひっくり返されるような味でした。なんか……なんかすご……すごかったなあれ……。もうあかん語彙力死んでもうてるやん。ちょっとあまりにエンドコンテンツすぎて語彙が追いつかなかった。
淹れ方の参考にいくつか見ていたサイトのひとつ、煎茶堂東京さんのページで『玉露は、旨味が存分に凝縮された少量のお茶をゆっくり味わうという楽しみ方がおすすめ。』と書いてあったのですが、わかる!!!!わかりすぎる!!!!飲む前は微塵もわからなかったんですけど今ならわかる!!!!たくさん楽しもうとすると逆にダメだこれ。多分人間が味を楽しめる限界値がすぐに来ちゃって、何飲んでるんだかわかんなくなりそう。ほんの少しの量を、じっっっっくり噛みしめて味わうからこそ美味しい……。なんか楽しみ方まで贅沢ですね玉露って……。あればあるほど良いって訳じゃないみたいな、粋みたいなものがぎゅぎゅっとこれでもかと詰まってる気がします。そういうの割と疎い方なんですけどね私。美味いもんはたくさん食べたいやんって思いがちなんですが。この玉露にはわからされてしまったな……。
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