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私が接客業を〝おもしろい!〟と思ったきっかけ

私が接客業に初めて就いたのは17歳の頃なので、まもなく20年を迎えようとしている。

その中で私が接客業に惹かれていった幾つかのエピソードを書きたい。


まず私が初めて携わった接客業の会社は業務用の食材と、一般用の薬局と家庭用品を売っているお店だった。

私に与えられた仕事はレジ業務。

数ヶ月して慣れてきた頃、社員の人がPOPを描いているのを見て私もやってみたいです!と言うとすんなり「いいよ!」と承諾をもらえてやってみることとなった。

POPを書くうちに人が目に留めてくれるのが嬉しくなってきて、次第に売り上げもあげたいなと考えるようになった。

そうなると次は売り場の配置換えだ。


ものすごく恵まれた職場だったと思う。
ただのアルバイトの高校生が配置換えしたい!なんて言い出しても「いいよ!好きにやってみな!」と言ってくれるのだから。

そして売り場の動線を考えるようになり、配置換えをしたところなんと売り上げが少し伸びたのだ。
社員は私のことを褒めてくれた。とても嬉しかった。

販売ってただ売ればいいのではないのか。奥が深いなと思った。

そして高校2年生の頃掛け持ちしていたのが観光地にあるカフェのホールだった。

観光地ということもあって国内の遠方や外国人もたくさん来るところだった。繁忙期には外に人が並ぶほど忙しかったのだが、何せこぢんまりとしたお店でキッチンも狭く基本的に使っているのは1人だったものだから、お待たせする時間が長かった。

もちろんクレームも最初は結構受けた。

そこで考えたのが、お待ちいただいている間に対話するということ。お腹が空いている時に暇になるとどうしてもイライラする人が多いと感じていたから、その間を埋めようと思ったのだ。

話題にしたのは観光の予定。
それを聞き出して混んでない道を伝えたり、好みからこんな場所もおすすめという話をした。
これは地元民ならではの情報を伝えるのがミソ。ここで聞けて良かったと言う思いは、少々ご飯を待つ事になってもお客さん側からすれば得をしたと言う印象になるからだ。

すると、料理提供までの待ち時間が少々長くても、イライラしている人がどんどん減っていった。


私の仕事はホールだ。
料理を作ることはできない。
だから早く提供しようと思っても不可能なのだ。
となればホールのする仕事は一つ。
お待たせしているお客様に嫌な思いをさせないよう心配りすることなのだ。


接客というのは外から見ればただ楽しそうに喋ってものを売る人かもしれない。

実際私は親から「大学出てそんな誰でもできる仕事をするのか」と言われた。
本心で言ってたのだと思う。
自分の誇りを持って行っている仕事をそんなふうに言われて理解してもらえなさに腹立たしさと虚しさがあったのを今でも覚えている。

しかし実際はいろいろなことを考え、試行錯誤し、お客様を楽しませる最高のエンターテイナーだと私は思う。

私はお客様から今までかけていただいた嬉しい言葉を胸に、今日も接客業で良かったと噛み締めながら仕事に向かう。

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