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回天誌史

取手市内を散策中に「刀水荘」なる建物を発見。刀水とは利根川を指す言葉で藤田東湖の回天詩史にも出でくる。

三決死矣而不死
二十五回渡刀水
五乞閑地不得閑
三十九年七處徙
邦家隆替非偶然
人生得失豈徒爾
自驚塵垢盈皮膚
猶餘忠義填骨髓
嫖姚定遠不可期
丘明馬遷空自企
苟明大義正人心
皇道奚患不興起
斯心奮発誓神明
古人云斃而後已

藤田東湖はここから25回も江戸へ渡っていたのだろうか。回天誌史の回天とは天を回す、すなわち世の中を変えること。国の盛衰は偶然にそうなるのではなく、起こり得るものであって、人生の得意と失意もいたずらごとではない。現代に置き換えてみると災害は別として、円安からくる物価高、少子高齢化などは偶然の産物ではなく対策をできるもの。航空機事故などもしっかりと原因を探らなければならないだろう。人生だって起こってしまったことを悲観するのではなく、今後についてしっかりと向き合うべきなんだろう。
 漢詩の最後「信ずる道を行ったのに、幽囚の身。塵と垢が積もってもなお、忠義を尽くそうとする誠心は満身は溢れている」


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