「Terra Co. 振付家育成講座」 受講レポート⑸


【Terra Co.とは】Terra Co.は平原慎太郎が主宰するダンスカンパニーOrganWorksが企画運営する振付家育成講座です。選考によって選ばれた16名の振付家が10ヶ月で10回の講座を経て創作した作品の成果を発表いたします。

【メッセージ】
コンテンポラリーダンスという90年代から00年代にムーヴメントをおこしたダンスにおけるオルタナティブなジャンル。
そして2010年代も終盤になり、同ジャンルは専門的な知識と、個人的な思想をより求めた。
当然、振付家という言葉も裾野を広げ、誰もがそう名乗れるようになり様々なツールを用いてダンスを表現するようになった。
今企画の参加者はそんなジャンルの振付家となるべく10ヶ月間知識を蓄え、型を学びそれを壊す時間を過ごし、遂に終着点である公演に辿り着いた。
それはこれからの始点としても位置付けられる。
僕はこの機会を同業者に向ける厳しい目と、同業者に向ける敬意を持って迎えたい。
扉の表と裏。一歩踏み出せば違う景色がある事を知っているからこそ。
講師・監修 平原慎太郎


第五回の講義内容は「制約/言語化」

「制約」つまりは作品の「枠組み」
それによってコンセプトが浮かびあがったり、舞台上の状況や振付を大きく決定づけるものになる。そして様々な事柄、素舞台で踊るということにさえも制約と捉えることもできる。この制約が舞台上で存在するとお客さんとの共感にもつながる。

そして振付家が「言語化」する力を必要とする事について。
「コンテンポラリーダンス」が今、そしてこれからどのようなダンス/芸術になっていくのかというのは現在の振付家たちにかかっている。「コンテンポラリーダンス」である以上先に述べたとおりアップデートする必要がある。
「言語」という共通理解がそれを様々な道に方向立ててくれる。
勿論出演するダンサーへどんな言葉を用いて説明をするのかという事にも関わってくる。
講義の中で短いフレーズをチームごとで創作し、他のチームのものを見て何かコメントをする(批評、意見)というトレーニングを行なった。これもまた自身のイメージに近い言葉を探し出すというトレーニングにより「言語化」のチカラを獲得していくことができる。

私は作品作りにおいて「制約」つまりは「枠」を増やしていくことで中身の形をはっきりとさせていくというやり方にイメージのしやすさを感じた。
「制約」とは何かができないことであるが、そうするとできる何かはフューチャーされる。何かを封印することで何かで補う必要が出る。
また「コンテンポラリーダンス」は様々な会場で上演することも多い。美術館、畳、野外、劇場。これらを自身で選択するか否かとは別としてこの場所の「制約」をどう捉えられるか。「コンテンポラリーダンス」だからこそその空間にあったダンスに変容できる(勿論絶対野外じゃないとできないという作品があるのはいい)という特性を感じられる。
考えてみれば「制約」を自由に作れるというのもコンテンポラリーダンスの醍醐味と言えるかもしれない。例えば映像におけるダンスに関して、ダンス映像が監督のものか振付家のものかなどの問題はおいておいて、コンテンポラリーダンスは正面性というものにおいてもクラシックバレエや、ジャズに比べて「制約」がないためカメラという視点が360度あるものに適応しやすいと考える。
今ある枠にとらわれず、制約を楽しめるように創作をしたいと感じる。

ダンスは言葉を発さずして表現できるツールだ。
もしかすると言葉では表せないことを体で表現する言葉できるかもしれないし、ダンスにはそれを実現することを望んでいるかもしれない。
けれど、ダンスには言葉が必要ではある。言葉にすることは、他人と共有する、つまり自分のものだけではなくなる、それは存在させることと等しい。
自身の中にとどまるものは無かった事になってしまう。


【公演日程】
2019年3月21日(木祝)A20:00
22日(金)B19:30
23日(土)C14:00/D19:30
24日(日)E13:00/ F17:00 *最終講座19:00-20:00
※ 受付開始は開演30分前。客席開場は開演15分前。
※ 上演作品は振付家名の欄にA〜Fで記載。

【最終講座のご案内】最終講座を公開いたします。本公演をご覧になった方のみご観覧いただけます。Peatixでご購入の方は、講座観覧チケット(無料)も合わせてご購入ください。
講師:平原慎太郎

【振付】
足立佳野/B F  上田舞香/C D  大西彩瑛/B E  尾形菜々子/A E  貝ヶ石奈美/C D  木原萌花/A B
高橋真帆/C D  高谷楓/C D  田中彩/B F 豊永洵子/C D  中西あい/C D 深井三実/B F  堀内まゆみ/E F
牧野彩季/B F  やえおめぐむ/A E  渡辺はるか/A F

【チケット】
一般 2500円 当日3000円 U25 1500円
※リピーター割引:2回目以降の観覧は500円引き。(Peatixでご購入した方は当日受付で返金いたします。)
※U 25チケット:年齢確認のできるもののご提示が必要です。

【予約フォーム】https://terraco01.peatix.com
【問い合わせ先】
staff@theorganworks.com 担当:町田
070-1409-0478(対応時間10:00~18:00)
【スタッフ】
舞台監督:筒井昭善
照明:櫛田晃代
音響:相川貴
広告デザイン:小見大輔
写真:加藤甫
制作:町田妙子(OrganWorks)、小松睦(OrganWorks)
特別講師:北村明子 児玉北斗
協力:森嶋拓 (株)セッションハウス G-screw Dance Labo
助成:公益財団法人セゾン文化財団
主催:OrganWorks HP:theorganworks.com

【会場】セッションハウス
〒162-0805 東京都新宿区矢来町158
MAIL mail@session-house.net
TEL 03-3266-0461

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