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『草花たちの静かな誓い』 宮本輝


Los Angelsに2泊することになって、この本を買ってみた。

もう疎遠になってしまった友人がいるんだけれど、その子が海外に行くときは、その土地の小説を読んで行くと言っていて。それから真似している。

ロサンゼルス、小説で調べると色々出てくるのだけど、あまり日本人の作家は出てこなくて、その中で、インタビューもあったのがこの本。

宮本輝は『錦繍』で出会って、素敵だなと思ったのだけど、次にパニック障害の女性が出てくる小説を読んで、それが描写が的確すぎて苦手で、それから読んでないと思うのだけど。

そんな的確に物事を書き表わせる人が、ロサンゼルスの風景から書き上げたというこの本は、旅にぴったりなんじゃないかと思った。

でも。
結論から言うと、この本は旅に向かないと思う。

読後がよくない。
本当によくない。
あと、ちょっとロサンゼルスの風景が古くて、うまく外の景色と小説の中が繋がらない。

本を買うときは、2020年に出版されたのだと思いこんでたんだけど、それは文庫本が出た年で2014年に連載されてた本だった。

2024年のロサンゼルスとは全然違う。10年でこんなに街の描写が変わるのか、というのは面白いけど、でもなんかせっかくその土地で読んでる、というのとはちょっと違うような気がする。

この本は多分、日本で読んだ方が面白いと思う。(もちろん、そういう人の方が多いと思うし。)

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