趣味には何円払うのか?柔術にはいくらかかるのか?
コロナの状況もだいぶ落ち着いてきまして、あちこちの道場で新入会員が増えた、見学者の予約が入ったという話を聞くようになりました。油断は禁物ですが、感染が収まるのはうれしいことです。新しいことをはじめようという気持ちにもなりますよね。
さて、新しいことには大抵お金がかかります。ブラジリアン柔術をはじめるには、どれくらいかかるのか、そして、それはリーズナブルなのか、趣味に使うお金という観点から考えてみました。
趣味に使うお金
趣味に使うお金はピンキリです。収入の大半を注ぎ込んでしまう人もいるでしょうし、趣味を持たずほとんど使わない人もいるでしょう。車や時計収集が趣味だと金額も天井知らずかもしれません(イメージ)。もちろんひとぞれぞれなのですが、世の中の平均を知っておくと参考になります。
総務省の統計局では、国民の家計状況を把握し、経済政策・社会政策に活かすため家計調査を行っています。日本の人々がどれくらい稼いでどのくらいお金を使っているのかを毎月調べ、記録に残しています。
今回は、私が住んでいるさいたま市のデータから趣味に使う金額がどれくらいなのか見てみました(注1)。柔術をやるのは、30–40代が多いので、二人以上勤労者世帯のデータから趣味に使うお金の平均を出してみました。2000年1月から2021年4月までの20年分のデータを見てみます。世帯主の平均年齢は47歳、平均世帯人数は3人、毎月の平均支出が353,934円という感じです。ちなみに2020年1月から2021年4月で計算しても、値はほとんどかわりませんでした。
さて、家計調査には、食費、住居費、光熱費などさまざまな費目があります。その中の教養・娯楽費を今回は趣味に使うお金としました。趣味・娯楽費の金額は、過去20年の平均で毎月40,343円、ここ最近(2020年1月から2021年4月)だとちょっと減って34,963円でした。だいたい毎月の支出の1割ぐらいにあたります。世帯人数で単純に割ると、ひとり当たりおよそ13,000円と11,000円でした。
まとめると、さいたま市の現役世代の家庭では平均してひとり当たり1万円+αくらい趣味に使っていることになります。このくらいが多くの人にとってそれほど負担もなく趣味に支出できる金額だと考えられます。
柔術をはじめるにはいくらかかるのか?
柔術はだいたい毎月1万円+αくらいで楽しむことができます。ただし、初期費用がそれとは別に少し掛かります。まず、道衣等の衣料代が必要です。ピンキリですが価格帯は1万円から2万円が中心です。さらに道場への入会金があります。それプラス毎月の会費が必要です。多くの道場では、入会費、月会費とも1万円のところが多いです。というわけで、3万円から5万円くらいの初期費用があれば始められます。関東やその他大都市圏だとこのくらいだと思います。
で、月会費は1万円くらいというのがポイントだと思いました。これは、さいたま市の現役世代が毎月趣味に使う金額と同じくらいです。柔術が無理なく支払える金額で続けられる趣味であることがわかります。
できるだけ安く上げたい
とはいえ、初期費用が高い、他にもお金を使うから1万円だと厳しいというひともいるかもしれません。とにかく安く上げたい場合は、道衣を学校授業用の柔道衣にするとよいでしょう。Amazonでも3000円くらいです。メルカリやヤフオクで柔術衣を探すのも良いかもしれません。新品同様の道衣がうまくいくと1000円、大抵は新品よりもだいぶ安く手に入ります
月会費や入会金も安くすることが可能です。常設道場は、だいたい月会費が1万円くらいですが、月5回コースなど回数限定し、会費を半額から7割くらいにするプランが用意されていることも多いです。半額ならだいぶ安くなりますね。
また、常設でなく、公共の施設やレンタルスペースを利用している道場は、月会費がグッと安くなります。3000円も珍しくないでしょう。サークルの形態をとっているところなら、毎回数百円の参加費のところがほとんどです。
ただし、サークルは経験者の集まりであることが多いので、体系だった指導が受けられるかはわかりません(注2)。責任の所在も不明確なので、事故などが起こりやすいかもしれません。そういう意味で、指導や安全面を考えるとしっかりした基盤のあるところではじめるのが安心ではあります。サークルではじめる場合は、基礎運動やテクニックをきちんと指導しているか確認しておくと良いでしょう。練習時間の大半がスパーリングのところはあまり初心者向きではありません(格闘技経験者なら別)。逆に、基礎運動やテクニックの指導もきちんとしており、責任の所在がハッキリとしているなら費用の面でサークルはとてもお得です。
ブラジリアン柔術は、一定以上のクオリティが担保された道場で学んでも月々1万円くらい、もっと安くすませることもできます。初期費用も道衣くらいでそれほどかかりません。趣味に使う平均的な金額で続けられることを考えてもなかなかリーズナブルな競技ではないでしょうか?
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注1:データはここにあります。
https://www.pref.saitama.lg.jp/a0206/kakeichiyousa/kakeichiyousagikeiretu.html
注2:良いサークルもあると思いますが、初心者の方がそれを見分けるのはかなり困難であろうと思います。
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