週に何回練習します?:メンタルヘルスの観点から
スポーツにしろ何にしろ、練習すると上達します。だからと言っておじさん、おばさんだと毎日練習するわけにもいきません。仕事や家庭もありますし疲労も考慮すべきです。そこで、メンタルヘルスという観点から週何回くらい練習すると良いのか考えてみました。
あ、選手志向の若い人や専業柔術家の方はもちろん週7でなんの問題もありません。よろしくお願いします。
運動は心の健康に良い!
運動をすると気分が良くなります。これが気分の落ち込みや不安を抑えることやPTSD のような深刻な問題の解決に繋がります。
120万人を対象に運動と心の健康について行った調査では、運動を習慣的にしている人はそうでない人に比べ、気分が良くない日が43%も少なかったことがわかりました(Chekroud et al., 2018)。なお、チームスポーツのようにコミュニケーションがあるスポーツの方が、ウオーキングやジムでの筋トレより、心の健康に良い影響がありました。
でもやり過ぎるとよくない
さらにChekroudたちはどのくらい運動をすると、気分の良くない日を少なくするのに効果的なのか調べました(Chekroud et al., 2018)。そして簡単にいうと、やり過ぎもやらないのも良くないことがわかりました。
これまた120万人に1ヶ月に運動する日数と気分の良くない日数をたずね、その関係をグラフにしました。ぜんぜん運動しない人と、運動し過ぎるひとで、気分の良くない日が増えています。1ヶ月に10−20日、週に直すと3−5日運動する人が気分の良くない日が少ないことがわかりました。
なお、運動の時間や強度も同じで、強過ぎる長過ぎるのも、弱過ぎる短過ぎるのも良くありませんでした。ちなみにサイクリング、チームスポーツ、ウオーキングなどスポーツの種類について違いはなく、基本的なパターンは変わりませんでした。
過ぎたるは及ばざるが如し
ことわざの通りでやり過ぎると負担になります。そのせいでかえって悩みが増えたり、落ち込んだり、不機嫌になったりするかもしれません。練習は毎日、2部練なんか当たり前という柔術中毒のひとには思い当たる節がありませんか?
心の健康を考えるなら、週に3日くらいの練習が良いようです。疲労からくるストレスや、それに伴う怪我のリスクを考えてもやり過ぎには注意をしたほうがよさそうですね。
引用文献
Chekroud, S. R., Gueorguieva, R., Zheutlin, A. B., Paulus, M., Krumholz, H. M., Krystal, J. H., & Chekroud, A. M. (2018). Association between physical exercise and mental health in 1· 2 million individuals in the USA between 2011 and 2015: a cross-sectional study. The Lancet Psychiatry, 5(9), 739-746.
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