MT数学史 #1 ユークリッド原論の英語初版本
こちらは、有史の以降聖書の次に読まれているといわれるエウクレイデース原論、最初の英訳1570の表紙です。
英語読みでユークリッドとも呼ばれますがエウクレイデスはギリシャ読みです。
主に有名なのは初等幾何で、誰しも中学高校で学ぶようなものを想像してもらえば大丈夫です。
しかし有名なだけで事実は結構異なります。みなさんが想像するような初等幾何は全十三巻のうち第一巻と第二巻くらいなもので、しかも議論の運び方がもっとストイックでゴリゴリです。問題意識も違えば社会的全体も違うので一人で読めるような代物じゃあございやせん。
さて、今回注目してもらいたいのはその表紙です。
自由七科のうち三科じゃない方の四科が下に載っています。
三科は文法・修辞・論理
四科は幾何・算術・天文・音楽さらに幾何と天文、算術と音楽対で、それぞれ空間的と時間的です(はい?)
ちなみに三科は四科に比してむっさ簡単なのでtrivial の語源となりました。
中世の絵らしく、手が込んでいますというか全体わちゃわちゃしてますよね、まぁいいんですけれど。
ボエティウスが上記の学問的教養設定をし始めたといわれますが、それはユークリッド原論成立のかなーり後の話。自由七科というのも中世を通してながーく規範でありつづけましたが、これはまた遠い未来の話。
そんなわけで初等幾何やパズルに興味のある人、ユークリッド原論だけは開いちゃダメですよ、ダメですからね(フリ)
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