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最近の記事

MT数学史#8 天文学と暦

今日は天文と暦のお話。現代を含めいかなる時期のいかなる文明においても、最も現実的に重要な価値を持ってきたものですが、古代においては尚更です。これを支配することで特権階級は特権階級たりえるわけですから(!) 農耕牧畜をいつ頃からか始めた都市国家型古代文明は、その成熟と共に商人や職人といった中間層が分厚くなってきます。それによって農民の地位が下がるのではなく、むしろ国家運営上は尚のこと重要視され始めます。というのも、都市化した生活を送る多くの人口を養うには、なんといっても食糧が

    • MT数学史#7 古代の数学③初等幾何学

      なんといっても古代といえば初等幾何かもしれません。 しかし「何のため?その目的とは?」ということが、その初等性のためにわからないといえば分かりません。それは中学のときの僕たちもそうだったはずでしょう?何となく絵なら楽しくて綺麗で、正しいと思えて、そのうえ単なるパズルにとどまらず実用的である、ということから自然と発展した、といったところでしょうか。 とはいえ、出どころとしてはヘロドトス曰く、「幾何学はナイルの賜物」。毎年決まって洪水で流される土地の測量と再分配や税収決定、建

      • MT数学史#6 古代の数学②初等代数

        今回は古代の初等代数についてのお話です。 今のように代数記号などが整備されるズーーーっと前の古代では、数学といえど基本的に全て日常言語記述されていていました。 エジプトではパピルス、バビロニアでは粘土板、中国では竹簡木簡に、インドではヴェーダという詩のかたちで問題形式として残されており、簡単なものは小学生の頃の「ホニャララ算」のようなものから、難しいものは多元連立方程式や高次方程式まで、相当に高度なものまで含まれています。僕らのように数学的中身を解っていたとしても、これら

        • MT数学史#5 古代の数学 ①数と算術

          前回まで、文明ごとに有史以前から続く数学的文化なるものをまとめてきました。どちらかというと考古学や歴史に近いものがあったわけですが、今回からは数学的な方に進んでいきましょう。文献的に残っている数学的特徴をトピック的に紹介して行きたいと思います。 まず一つ目は数表現・記数法についてです。僕らは「数といえば数字、数字といえば数」という観念がつよく、十進表現されたものが数そのものであると思っている人も多いかもしれません。それが理由か、N進数などを学ぶと非常に混乱する人も多いかと思

          MT数学史#4 古代中国の記数法と先進性

          バビロニアやエジプトと比べてあまり印象深くない中国数学文化ですが、そのレベルは贔屓目を差し引きエジプトとバビロニアに比べても世界最高峰でした。 古代バビロニアとエジプトでは中学数学くらいの算術・代数・幾何は扱われていることをみてきましたが、古代中国ではさらにかなりのレベルに達していました。 先ずは算術から。というかこれがすごい。次の表のように早くから十進換字法で、乗数的に表現していました。つまり僕らが漢数字を書くのと同じシステムです。 甲骨文化だけあってちょっとデザイン

          MT数学史#4 古代中国の記数法と先進性

          MT数学史#3 古代エジプトの文字とパピルス

          今回は、ジャン・シャンポリオンによるロゼッタストーンよりも遊戯王でお馴染みの古代エジプト文字のお話です。 実は単にエジプト文字といっても、種類も違えば時代ごとに色々あるのですが、ここでは3種類ほど紹介していきます。 ① 聖刻文字(Hieroglyph) まずは石碑などに刻印されるために使われた聖刻文字(Hieroglyph)です。おそらくみなさんが想像する想像するものに一番近いのはこれで、鷲とか鷹などの猛禽類やホルスな目が印象的かと思います。つまり遊戯王的なやつです。

          MT数学史#3 古代エジプトの文字とパピルス

          MT数学史#2 古代バビロニアの粘土板と六十進法

          写真の粘土板は有名なYBC7289というものです。Yale Babylonian Collection の7289番でノイゲバウワーとサックスにより解読されました。(聞き流し推奨) その大きさは切手大から大判書大まで、形も長方形や丸などありますが、大体は思ったより小さくて手のひらサイズ。 この意味する所は携帯的実用性です。実際、バビロニアでは数表がかなり利用されており、その幅たるや、逆数からn^3-nの表まであったそうな(怪談) とはいえ日常的に使っていたのは乗数表と逆

          MT数学史#2 古代バビロニアの粘土板と六十進法

          MT数学史 #1 ユークリッド原論の英語初版本

          こちらは、有史の以降聖書の次に読まれているといわれるエウクレイデース原論、最初の英訳1570の表紙です。 英語読みでユークリッドとも呼ばれますがエウクレイデスはギリシャ読みです。 主に有名なのは初等幾何で、誰しも中学高校で学ぶようなものを想像してもらえば大丈夫です。 しかし有名なだけで事実は結構異なります。みなさんが想像するような初等幾何は全十三巻のうち第一巻と第二巻くらいなもので、しかも議論の運び方がもっとストイックでゴリゴリです。問題意識も違えば社会的全体も違うので

          MT数学史 #1 ユークリッド原論の英語初版本

          はじめまして! #0

          はじめまして、MTといいます。数学にまつわる話をYouTubeやTwitter・Instagramで配信しています。 数学と聞いて緊張したあなた、大丈夫です、力を抜いてください。とって食べたりしません。 数学ときいて華やかな思い出がある人は多くはないと思います。なんなら受験勉強で強いられて、マイナスイメージを抱いている人も多いでしょう。 なんでも無理に強いられれば嫌いになるのは当然、それでも文句もいわず、ファンがいる数学はわりと健気。 そんなわけで! なぜ数学を学ん

          はじめまして! #0