見出し画像

書籍「教養としての「数学Ⅰ・A」」を読む(その7)

マガジンリスト > 書籍「教養としての「数学Ⅰ・A」」を読む > その7


数える際にポイントとなること


上記の「教養としての「数学I・A」」を読み進めています。
今回は、「第6章 直感を裏切るもの 場合の数と確率」を読みました。

ものを数える際に、確認すべき重要なことが2つあります。
1つは順序を考える必要があるのか、もう1つは重複が許されるのかどうかということです。

p.185

順列や組合せを考える際に、これらのことについてあまり意識できずに数えていたような気がします。おそらく無意識に考えていたのだと思います。
これまでの経験上、こういうことを意識してものごとを考える方が間違いが少なくなるので、今後は意識して考えようと思いました。


重複順列の記号の由来

高校数学では出てきませんが、$${\Pi}$$という重複順列の記号もあります。これは円周率で使われる$${\pi}$$の大文字でアルファベットの$${\mathrm{P}}$$に相当します。重複順列は英語で Repeated Permutation ですが、$${\mathrm{P}}$$はすでに重複を許さない順列で使用済みのため$${\Pi}$$が使われることになったようです。

p.191

重複順列の記号っていうものがあったのは知りませんでした。まあ、計算上あまり使う必要はないですからね。この書籍にも書いてあるように、$${_n\Pi_r}$$は$${n}$$個の中から重複を許して$${r}$$個取ること、つまり、$${n^r}$$です。であれば、$${_n\Pi_r}$$と書くより先に$${n^r}$$と書いてしまった方が早いですからね。


重複組合せの記号の由来

なお重複組合せの記号の由来は難しいのですが、その数が斉次積(homogenous product)と呼ばれる同次多項式の項の種類の数と一致することから、$${\mathrm{H}}$$を使います。

p.193-194

重複組合せの記号$${\mathrm{H}}$$は高校数学でも利用されるので知っていましたが、由来は知りませんでした。おそらく時系列的には、
① 重複組合せの数え方がわかる
② 斉次積と呼ばれる同次多項式の項の種類の数が重複組合せの数と一致することがわかる
③ じゃあ、重複組合せの記号は$${\mathrm{H}}$$にしよう!
となったのではないかと思います。
だとすると、②の前は、組合せの記号$${\mathrm{C}}$$を直接使って、$${_{n+r-1}\mathrm{C}_r}$$としていたのでしょうか。


覚える公式は極力減らす

場合の数の問題に限らず問題に出そうなパターンについて、逐一公式や解法を丸暗記するというやり方もありますが、私が生徒に教えるときには公式の数をできる限り減らすよう心がけています。そして汎用性の高い公式については、丸暗記するのではなく、きちんと導き方まで含めて学んでもらいます。そうしておけば、複雑な問題に出合ったときにも応用が利くはずです。

p.194

これはそう思います。
「丸暗記するのではなく、きちんと導き方まで含めて学ぶ」というのは時間がかかり、ちょっと遠回りに思う人も多いかもしれませんが、「複雑な問題に出合ったときにも応用が利く」ことになりますので、将来的、長期的な観点からみるとコスパやタイパがよいことになります。


確率という用語

何回も繰り返せて、なおかつ結果が偶然に左右されるという意味では、日常的に確率という用語が当てはまるケースはあまり多くありません。そのため、教科書の例題もサイコロやトランプ、コインなども使ったものに偏っています。

p.196

なるほど。日常的に確率という用語が当てはまるケースはあまり多くないんですね。確かに「結果が偶然に左右される」というものは日常的にはほとんどないのかもしれません。
サイコロの目やトランプの札、コインの裏表であっても、どれが出るかは厳密には偶然に左右されていません。なんらかの要因があってそれが選ばれるはずです。本当は要因があるんだけど結果が偶然に左右されるように見えるということをうまく利用したのが、手品などなのでしょうね。


確率のポイントは「同様に確からしい」かどうか

さて中学、高校で学ぶ数学的確率について、一番大事なポイントは、「同様に確からしい」かどうかです。

p.197

昔、高校の先生がこれをよく言っていたのを思い出しました。確かに「同様に確からしい」というポイントはしっかり押さえておきたいことです。これをしっかり理解しておくと、少し複雑な確率の問題にも対処できるように思います。


条件付き確率は、直観に反した結論になることが多い

条件付き確率の面白いところは、結論が直観に反したものになることが多いということです。

p.208

書籍のp.208-210に、これについて不治の病を例に話がされていますが、面白かったです。特に、偽陽性の話についてはなるほどと思いました。


今回は、ここまで。今回の話(第6章)は、「数学A」で学ぶ「場合の数と確率」のお話でした。個人的には、いろいろな考え方が復習できて、面白かったです。なお、「場合の数と確率」については、この note にまとめている記事(マガジン)『高校数学をプログラミングで解く(数学A編)1.場合の数と確率』で扱っているので、合わせて読んでいただければと思います。

次回は第7章について読み進めて、別途コメントしていきたいと思います。

MK's papa

いいなと思ったら応援しよう!