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書籍「教養としての「数学Ⅰ・A」」を読む(その5)

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現代でも結構すごいと思う発想


上記の「教養としての「数学I・A」」を読み進めています。
今回は、「第4章 測量から幾何学は生まれた 図形と計算」を読みました。

タレスは、自分と自分の影がつくる直角三角形と、ピラミッドとピラミッドの影がつくる直角三角形は相似であることを利用しました。現代の私たちからすれば何でもないようなことですが、当時の人はこの発想に大いに驚いたそうです。

p.115

著者は何でもないようなことと書いていますが、現代の人から見ても結構すごい発想なのではないかと思いました。
昔の人は、身近なものを利用して頭を使って課題解決していた。これは見習わなければならないと思います。


sin の語源

sin は日本語だと「正弦」。これは、AM を2倍に伸ばした AB が、調べたい中心角の正面にある弦だからです。

p.116

sin(正弦)は「中心角の正面にある弦」と言う意味だったんですね。昔から気になっていたことがわかって満足です。
その正弦をなぜ「sin」と呼ぶのかという解説もp.116-117に書いてありました。結構な歴史を経て今の sin に至っているんですね。


cos の語源

直角三角形における直角以外の角の1つを$${\theta}$$とするとき、もう1つの角を$${\theta}$$の「余角」といいます。英語では complementary angle、つまり足したら$${90^{\circ}}$$になる角ということです。
(中略)余角に対する sin、”co"mplementary angle の sin だから、cos ということですね。

p.119-120

cos の語源はなんとなく知っていましたが、改めてきちんと理解ができました。


tan の語源

また、図4-04 で、$${\frac{y}{x}}$$は半径と接線の長さの比になっています。接線は英語では tangent というので、そこから$${\frac{y}{x}}$$を tan というようになりました。

p.120

なるほど、以前からなぜ「接線」を意味する tangent が使われているのだろうと疑問に思っていましたが、そういうことでしたか。


三角比の拡張

新しい定義では、まず半径$${1}$$の円を考えます。
この半径$${1}$$の円上にあって$${x}$$軸の正方向から反時計回りに角度$${\theta}$$進んだ点、この座標を$${(\cos \theta, \sin \theta)}$$と定義し、$${\tan \theta}$$は、先ほどの相互関係(図4-09)を使って定義します(図4-10)。

p.130-131

これまであまり意識していませんでしたが、この三角比の拡張の定義は汎用性があり、非常に良いと思いました。


証明のプロセスを学ぶ

正弦定理にしても余弦定理にしても、最終的に複雑な式が出てきたと思われたかもしれません。けれど、これらの式を丸暗記してしまっては意味がありません。
私は生徒に数学を教えるとき、証明のプロセスを大事にしてこだわります。前にも書いた通り、結果よりも証明のプロセスにこそ意味があるし、そのプロセスを学ぶことが数学センスを磨く最短距離だと信じているからです。

p.138-139

おそらくですが、数学が得意な人は、公式についてなぜこれが成り立つのかをなんとなく理解していて、実際にその公式を利用しようとするときには頭の中でさっと「この公式はこういうことだから成り立つ」ということをあらためて思い浮かべているのではないかと思います。
証明のプロセスを学ぶことが数学センスを磨く最短距離というのは納得のいくものだと感じました。


学んで感動すること

私は高校生になって、この「三角形の面積公式」を知ったとき、とても感動したことをよく覚えています。

p.141

こういう「感動する」ということが数学が好きになったり、数学が得意になったりするきっかけになるんですよね。
これは、数学だけではなく、どのような分野でもそうなんだと思います。
もっと感動していきたいですね。


今回は、ここまで。今回の話(第4章)は、「数学Ⅰ」で学ぶ「図形と計量」のお話でした。実は、「図形と計量」の知識はコンピュータ(プログラミング)を扱う上ですごくよく使われるものです。しっかりと押さえておきたいところです。この書籍はその一つのきっかけになるのではないかと思います。

次回は第5章について読み進めて、別途コメントしていきたいと思います。

MK's papa

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