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文字式と方程式と関数

中学1年生で学習するこれらの単元。
ちょっと注意しないと、それ以降の数学の学習につながるので、
書いてみました。


そもそも、中学2年生になる息子の質問を受けた時に感じたのですが…


まずは文字式のルール

おさらい…
・かけるの記号は省略 例 2×a=2a a×b=ab
・数字の1は省略 例 a×1×b=1ab=ab
           b×(-1)=-b
・同じ文字は累乗の形で書く 例 a×b×a=a^2b
 (便宜上肩の上の指数を^をつけて書かせてもらいます)
・割り算は分数で表す 例 2÷a=2/a a÷2=a/2
             a÷b=a/b
・文字はアルファベット順に書く 例 a×c×b=abc
・数字は文字の前 例 a×3×b=3ab
となります

さらに、このabや2/aや3abのような×の記号を省略した塊を”項”といいます。
よくあるのは3abのように数字と文字を合わせたもので、マイナスを含んだ場合…-3ab これも一つの項です。

この項を+でつなげたものが、”多項式”と言われるものなのです。
例 2ab+a/b-3ac
つまり、さっき書いた3abなどは”単項式”と言われるんです。
ここで、間違いやすいので、もう一度書きます。

項(単項式)を+でつなげたものが”多項式”
いわゆる文字式です

じつは、この文字式を考えるときに”+”でつなげたもの、という説明が重要なのに伝わっていないことが多いのです。

先ほど例で書いた多項式をよく見ると”-(ヒク)”がありますよね。
ですので、項として考えるときは
2ab+a/b+(-3ac)
と3つの項からなる多項式と考えなくてはいけません。

多い間違いとしては項は3つで 2ab、a/b、3ac
と答えを出しちゃうことです。

これが、文字式の計算やその後の方程式の計算に大きく影響を与えてしまいます。

ちなみに、多項式でも並べる順番は、アルファベット順、
次数はその問題によりますが、大きいものから並べます。
(降べきの順ともいいます)

文字式の次数は…

文字式の次数にも勘違いが起きやすいので、再確認しますが、
・項(単項式)の次数は×記号を戻した時の文字の数
 例 2ab=2×a×b 文字はaとbなので2次
   -3ac=-3×a×c 文字はaとcなので2次
   2a^2(2a2乗)=2×a×a 文字はaなので2次
・多項式の次数は単項式の時数の一番大きいもの
 例 2ab+3ac^2-3b 2次、3次、1次なのでこの式は3次式

文字式の計算方法とは…

文字式の基本的な考え方
・数字(係数)は数字(係数)、文字は文字
 例 5a+4a=(5+4)a=9a
・同じ次数、同じ文字の項しか計算できない
 例 2ab+4ac+3ab+5a^2b
    =(2+3)ab+4ac+5a^2b
    =5ab+4ac+5a^2b
    =5a^2b+5ab+4ac
・あくまでも”項”の係数を計算する
 (間違いやすい時はまず項を確認) 
 例 2ac+4ab+5ac-3ab
    (項は2ac、4ab、5ac、-3ab)
    =(2+5)ac+(4-3)ab
    =7ac+1ab
    =ab+7ac

係数に関しては、掘り進めるのはしません
教科書確認してください。

重要なのは3番目。

”項”の係数を計算する

これにつきます。
これでつまずくと、この後の方程式は関数(比例反比例など)に響きます。

方程式についてですが

難しいこと抜きであっさり言うと

等式と方程式は一緒

これについては異論反論はここではぬきね。
”=”で結ばれているのが方程式と考えてください。
ですので、基本ルールは
・両辺に同じものを足しても一緒 例 A=BならばA+C=B+C
・両辺を同じもので引いても一緒 例 A=BならばA−C=B−C
・両辺に同じものをかけても一緒 例 A=BならばAC=BC
・両辺を同じもので割っても一緒 例 A=BならばA/C=B/C
 (原則:0で割ってはいけません)

ですので、例として5x+7=12を解いてみると
 5x+7=12
 5x+7−7=12−7 … 両辺から7を引く
 (5x    =12+(−7) … 7という”項”を移行していること)
 5x=5
 5x÷5=5÷5 … 両辺から5を割る
  x=1
となります。
この3行目が重要
つまり、方程式が得意な方や、教える先生の板書では
 5x+7=12
 5x  =12−7
 5x  =5
  x  =1
としか書かないで、移項の説明も
”=を超えると符号が変わるよ”
となるため、項の係数が今回のようにプラスならあまりミスもないのです。

試しにちょっと複雑にしてみますと、5x+7=11−3xでやってみる
 5x+5 =13−3x
 5x+3x=13−5
 8x   =8
  x   =1
ここでよくあるミスは−3xの項を正しく移行できないとミスに繋がるし、
5の移項もきちんとできないと、こんなミスも生じます
 5x+5 =13−3x
 5x−3x =13+5
 2x   =18
  x   = 9
ちゃんときれいな数字になっているので、ミスに気づかないのです。

ちなみに、息子に”イコウ”って漢字でかけるときいたら、
”移行”
と書かれました。
つまり、”項”を”移”動することが理解できていませんでした。

あくまでも、項を移動するのです。

これ、案外多いミスですね。
文字式の段階で”項”という認識が甘いと符号ミスが生じるのです。

比例と反比例(中1範囲)

比例式は方程式の一種です。
y=ax xyは文字(変数)ですが、aは係数です。
ですので、x=1のとき、y=a
これを座標として(1,a)と表します。

比例とは、
変数の一方が2倍3倍…になれば他方も2倍3倍…になるもの
です。

よく、「比例はどれですか」と聞かれますが、具体的にこれになぞらえて考えればいいのです。
足し算ではなく、掛け算で考えられるものが比例です。

反比例式はy=a/xで表せます。
同じく文字 xyは文字(変数)ですが、aは係数です。
これもx=1のときy=aです。
しかし、この式はxy=aともなるので、
掛け算すると同じ数になるのです。
x=2のときはy=a/2ですし、x=1/2のときy=2aになります。

反比例とは、
変数の一方が2倍3倍…になれば他方は1/2、1/3…になるもの
です。

逆に半分にすれば2倍になるということですよ。

グラフが重要

比例反比例は関数の考え方の基本なので、グラフが書けるかどうかも重要です。
ちなみに

比例式y=axのグラフは(0,0)と(1、a)を通る直線になります。

反比例式y=a/xのグラフは(1/2、2a)、(1,a)、(2、a/2)
を通る曲線。ただし、x=0、y=0は駄目なので、x軸y軸にさわってはダメ。
そのため、飛び越えて、(0,0)に点対象の位置に同じ曲線ができます。
つまり(−1/2、−2a)、(−1、−a)、(−2、−a/2)を通る曲線とペアになります。

これらは、必ず抑えておいていただきたいですね。

ちなみに中2になる息子は・・・ダメダメでした。
これらが全く理解してませんでした。

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