社内研修で、『ビールゲーム』をやってみた
先日、前々から興味があった『ビールゲーム』
というアナログゲームを、会社の研修でやってみました。
それが思いのほか、けっこう盛り上がったので、
感想なんかを寄稿しようと思います。
ビールゲームに興味があるけどやるか悩んでいる方、
ビールゲーム聞いたことはあるけどよく知らないという方、
ビールゲームは知らないけどボードゲームはけっこう好きという方、
なんかはご参考にしていただければと思います。
ネタバレなどは含んでいませんので安心してご覧ください。
感想
まず、ゲームが終わった直後の感想としては、
「してやられた・・・!」
でした。
ここまで手のひらで踊らされると、
逆に気持ちが良い。むしろ清々しい。
ってくらい、してやられました。
ビールゲームは、
『システム思考の理解』を目的としたビジネスゲームなのですが、
それを参加者に体感させるための『トリック』が、
いたるところに仕掛けられてあって、
それにまんまと乗せされ、誘導されました。
思い返すと、ホント良く出来てるなーと関心させられます。
研修を実施してくださった
HEART QUAKEさん、本当にありがとうございました!
それでは、早速ご紹介したいと思います。
ビールゲームとは?
マサチューセッツ工科大学の教授陣が、
1960年代に開発した、『ビジネスシミュレーションゲーム』
という類のモノです。
書籍『学習する組織』にも取り上げられてまして、
それを読んで面白そうだったなと思って、
研修でやらせてもらいました。
(この本もなかなか面白かったので、ご興味ある方は是非。)
ゲームの概要
ビールゲームは4人1組で行う協力型ゲームです。
発注や納品などの取引をして点数を稼ぎ、
『チームの合計点をどれだけ多くゲットできるか』
を目指すゲームです。
4人には、『ビール工場』『一次卸し』『二次卸し』『小売店』
とそれぞれ役割が与えられ、
チーム間で発注・納品などの取引をしながら、
点数を稼いでいきます。
では続いて、その『点数の稼ぎ方』について説明します。
「ルール①」 納品してポイントゲット
例として、一次卸しの目線で説明すると、
・二次卸しから、4本のビールの発注を受けます
・一次卸しは、10本ある在庫から、4本のビールを二次卸しに納品します
納品した分が、一次卸しにポイントとして加算されます。
納品ポイントの倍率は2倍で、
4×2=8ポイントが一次卸しに加算されます。
「ルール②」 在庫残しでマイナスポイント
めでたく8ポイントゲットできたわけですが、
それと同時に、残った在庫6本がマイナスとなります。
在庫残しの倍率は1倍で、
-6×1=-6ポイントが、一次卸しに減点されます。
つまりこのケースの場合、
納品分のプラス8と、在庫残しのマイナス6で、
合計プラス2点が、一次卸しに加算されます。
「ルール③」 納品残でマイナスポイント
では逆に、在庫が不足していた場合はどうなるか。
・二次卸しから、4本のビールの発注を受けます
・一次卸しは、在庫にある2本のビールを、二次卸しに納品します
今回は2本しか納品できなかったので、
2×2=4ポイントだけが一次卸しに加算されます。
また、発注4本のうち2本しか納品できなかったので、
納品残の2本がマイナスとして減点されます。
納品残の倍率は2倍で、
-2×2=-4ポイントが一次卸しに減点されます。
納品分のプラス4ポイントと、納品残のマイナス4ポイントで、
今回のポイントは、合計±0となります。
プレイヤーの原理原則
このような点数方式、レートのかかり方なので、
『①:なるべく納品しきりたいから、在庫は潤沢に』
がプレイヤーが第一優先することになります。
納品・納品残のレートが2倍なので、
そこが優先度高めの戦略となるわけです。
そのために一次卸しは、
上流であるビール工場に、なるべく多く発注をかけておきます。
ただし、100本も1000本も在庫に入れておくと、
在庫のマイナスが大きくなってしまうので、
『②:とはいえ、在庫は多すぎず、少なすぎず』
この2つの原理原則をバランスよく保ちながら、
点数を稼いでいくゲームなのです。
ゲームの結果
他の法人でも研修をされているようなのですが、
マイナス数十点のラインが平均点、
プラスになればだいぶ良い方、
との説明を受けました。
そんなことを聞けば、
「プラス100とか200くらいを取って自慢してやろう!」
ってな意気込みで挑みました。
結果は、
、、、
、、、
、、、
、、、
、、、
-2000点という圧倒的敗北
最初のゲーム説明を聞いて、
『①:なるべく納品しきりたいから、在庫は潤沢に』
『②:とはいえ、在庫は多すぎず、少なすぎず』
の原理原則は掴んでいたので、
そこから外れることはしていませんでした。
しかし、気づけていなかったのは、
『システム思考の概念』
『サプライチェーンマネジメントの原理原則』
『優先すべきは全体最適という思想』
ホント、よく練り込まれたゲームでした。
最後に
もしご興味湧いた方は、是非やってみてください。
そしてよろしければご感想などもいただけると幸いです。