[読書メモ]若手育成の教科書
サイバーエージェント執行役員CHOの曽山哲人さんが書かれた、若手育成の教科書 サイバーエージェント式 人が育つ「抜擢メソッド」という本を読みまして、その読書メモを書こうと思います。
前提となる考え方
上司・会社が抱える悩み
若手の意識が低く、マネジャー候補がなかなか出てこない
新卒社員がやっと一人前になったと思ったら辞めてしまった
20代社員とどう接していいかわからない。彼らのやる気がみえない
若手社員が抱える悩み
もっと成長したいけれど、その機会が今の会社にはない
新入社員の頃は学ぶことが多かったが、2年目の今、放置されていてキャリアを描けないでいる
若手社員が成長したいと思う理由
それは、自信を手にしたいから。
つまり、若手育成で最も大切なことは、自信を持たせること
それも根拠のある自信。根拠ある自信とは、成長した先に手にするもの。
若手育成のゴール
若手が自ら自信を手にすること。
成長実感という根拠のある自信をつけさせること
若手が育つ自走サイクル
自走サイクルの4ステップ
自走サイクルの構成は下記の4ステップ。
【抜擢】期待をかけられることで、「自走スイッチ」がONになる
【決断】覚悟を決める。意思決定によって、自らの「決断経験」を増やしていく
【失敗】成長において欠かせないもの。必要不可欠なプロセスと理解する
【学習】失敗を次の経験に活かすための内省。次のステージのための準備をする
抜擢のポイント
抜擢のポイントは、「言わせて、やらせる」こと。
まずメンバーから、「やりたいです」「やります」の意思表明の言葉を引き出す。
それに対して、「任せるよ」と承認する。
宣言→承認が基本ルール
所感メモ
期待通知について
全体を通して、納得感があるというか共感する部分が多かったです。自社でも「ミッションを与える」という義務感の含む言葉よりも「期待を通知する」という言葉を使うことが多いです。
抜擢=期待通知というのが、自分のなかで新しい引き出しの入れ方になって新鮮でした。
ピグマリオン効果、マタイ効果
これを読んでピグマリオン効果について頭がよぎりました。
ピグマリオン効果とは、他者からの期待を受けることで学習成績が向上したり、仕事での成果が上がったりする心理効果のことです。
次いでよぎったのがマタイ効果
マタイ効果とは、条件に恵まれた人は優れた業績を上げることでさらに条件が恵まれるという、「利益ー優位性の累積」のメカニズムのことです。
新約聖書のマタイ福音書の文言「おおよそ、持っている人は与えられて、いよいよ豊かになるが、持っていない人は、持っているものまでも取り上げられるであろう」という一節を参照し、マタイ効果と命名されたというのが面白いです。
ミッション(=期待)と成長の好循環の流れをいかに創り出すかが組織運営として大事だなと改めて。