電力用(進相)コンデンサと分路リアクトルの働きについて
コロナの濃厚接触者に該当することが、試験1週間前に分かり、受験出来なかった今年度の電気主任技術者試験(電験)ですが、2種の電力の試験で、電力用コンデンサと分路リアクトルについての問題が出題されていました。
このテーマについての出題は、今までも何回も出されているので、勉強した人は解けているはずなのですが、それでも間違えてしまう人が出るというテーマでもあります。私も恥ずかしながら間違っており(家で月曜日に解きました)、改めて調べ直して頭の中を整理できたため、メモのために投稿しておきます。
(1)の、「電力用コンデンサは( )相分の無効電力を供給し、…」を考えるにあたって、電力用コンデンサは、どういう理由で設置されるかを考えてみると、「モーターなどにはコイルが接続されており、位相は遅れる。そこで、コンデンサを接続することにより、打ち消し合わせて、力率を調整している」「よって、コンデンサを接続することは、位相を進めていることになるから、進相分の無効電力を供給している」という風に考えるのが、間違えた人の大半ではなかろうか。私はそう考えてしまったし、実は、Yahoo!知恵袋等での質問回答に、このように間違って回答している例もお目にかかった。では、早速、間違いを明確にしていこう。
上記の「モーター…力率を調整している」という部分までは、正しいし、理解するのも難しくない。しかし、次が間違っている。つまり、コンデンサが供給しているのは、進相分の電力ではなく、遅相分の電力である。ここが混乱するし、理解するのが難しい(少なくとも私には)。コンデンサ入れたら電流の位相進むよね?進相分の電力を供給したことにならんの?と。
実は未だに、この考えでは駄目な理由を自信持って説明することは出来ずにいる。が、しかし、少なくとも正解の「電力用コンデンサは遅相分の無効電力を供給する」という文を納得することはできた。それは、以下のように解釈することによって可能↓
回路にコイルがあると電流の位相が遅れる
→これは、遅相分の無効電力を消費していると考えることができる
→電源がコイルに供給していた遅相分の無効電力を新たに接続したコンデンサが肩代わりする(ポイント!)
→よって、電力用コンデンサは、遅相分の無効電力を供給している!
逆に考えると、電力用コンデンサは、進相分の無効電力を消費しているとも言える。こっちの方が考えやすいかな?
私はもう間違えることはないと思うけど、念のためのメモでした。誰かのお役に立ちますように。