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30歳を過ぎてからの婚活を考える

あくまで私個人の感想として、世のなかの男女の婚活において20代の頃よりも、また40代の頃よりも30歳を過ぎた頃のほうが頭でっかちで何かとこじらせてしまっているのではないかと想像するんですね。

20代の頃であれば、将来のたいする多少の不安や障壁も、えい、やぁー!という具合に目をつむって飛び込んで行けたことも、30代になるとその勢いや判断は鈍臭くなり、良くも悪くも石橋をたたいてしまう。婚活に関してはとくに、ひとえに「経験」から来るものだと思うんです。大半の皆さんは恋愛経験もあり、目のまえのお相手を品定めしてしまって、「年収は十分でも、洋服のセンスが」とか「欠点らしい欠点はないんだけど、恋愛するって感じじゃないんだよね」とか、防衛本能なのか、間違いを冒すことにたいして恐れの感情を持ちやすくなる。

40代ともなると、たとえば女性ならば子供をもうけることのタイムリミットというか、おそらくは半数以上の方がものすごくデリケートな女性的な問題とも向き合わなくてはなりません。また男性であれば「こりゃ、まいったな」という年齢的な時期にさしかかって、それまで以上に一期一会を丁寧に大切にする年頃だと思うのですね。おそらく。そうした危機感からくる潔さというか、開き直りというかが30代の頃と比べて一線を画するというか。

語弊があることを承知で言うと、婚活で人生のパートナー探しをする行為は、中古車探しに似ています。

なんで新車ではなく中古車なのかというと、在庫を探して手元に届く個体は唯一無二だから。前所有者のクセや車体固有のへたり方は当然新車にはありませんよね。

自分の譲れるか譲れないかの条件で(たとえば予算で、走行距離で、車種や型式で、車の色で、ATかMTかで)理想の車を探し求める行為が、婚活と似ている気がするのです。

中古車探しであれば、「いま乗っている車のつぎの車検までには」とか「来年4月からの就職にあわせて」とかハッキリとした期限があることが多いため、決断しやすくなる。

いっぽうで婚活はその期限があいまいになりがちです。人によっては焦る年頃であっても、「いい人に出会うまでは」と一度心に決めると婚活卒業はなかなか決まらない。しかもお相手の気持ちの問題もあることだから、こっちが将来の結婚を決断しても相手がその気にならなければこれまた先に進まかったり、ほんと悩ましい問題です。

「車なんて、屋根があってだいたい燃費良くてちゃんと走れば何だっていい」という人がたまにおられます。そういった方が同じようなスタンスで婚活に参戦したらきっとあっという間にご成婚されることでしょう。

個人的なことで言うと、結婚はたまたま誰かとするものであって、婚活は世界でたった一人のお相手を探し求める旅ではありません。相手の気持ちを無視してこちらの都合ばかりで言うものなんですが、学校の同級生や職場の同僚やかつての恋人や、思い起こせるだけでも10人以上の女性の顔はリアルな結婚相手として思い浮かべられます。人生のパートナーとして尊敬できる部分をもった人たちという意味においてです。

もしあなたが「出会いはそこそこあるんだけど、縁がないのよね」という悩みをかかえていらっしゃるなら、試しにお相手に求める条件は3つまでにしてみてはどうでしょう。

わたしが婚活をしていた頃の最終盤では、お相手の女性に求める条件は(1)一緒にいて気疲れしない人か、(2)それなりに楽観的な性格か、(3)子供を持つことに前向きか、の3つでした。

そう自分自身を方向づけした成果なのか、以前は「○○は良いんだけど、●●なんだよね」ってことが「●●なことろはあるけど、○○で良いんだよね」と、「けど」のあとに良いことがくる見方に変わるようになりました。

わたしはいま、およそ10年前に中古で購入した(当時7年落ちだった)2005年(平成17年)式のレガシィワゴンに乗っているのですが、買うときに決めていた車種以外の条件は(1)ミッションはMT、(2)走行距離10万km、(3)スバル認定中古車、の3つでした。

走行距離10kmは、それくらい走っている個体だと市場価格がかなり落ちるからです。反面、メーカーの認定中古車だと安心感が一段階違いますよね。そうした理由から在庫を探しはじめ、ほんとうは色は白が良かったけれど黒になり、支払総額は予算を20万円程度オーバーしましたが、良い個体と巡り会えたと思います。遠方の在庫だったため実際の車両は見ずに写真だけで購入を決めたのも、なんだか昭和の頃のお見合いと似ていますね。笑

当初は、とりあえず5年は乗ってみよう、という気持ちでいたのですが、あれよあれよと前オーナーの方より所有年数は超えてしまいました。住めば都というか、乗れば愛着は出るし、日本車だから大きな故障とも無縁だし、またしばらくはこの愛車を乗り続けると思います。

そのような感じで中古車選びを例えに、ちょっと力技すぎる論拠かもしれませんが、良い出会いというのは本人が思っている以上に身近にあるものだし、「車体の色は白が良かったけど、在庫が無かったから黒にした」ことも決して妥協なんかではなく、成熟した大人の判断だったと確信しています。

30代を迎えた皆さんであるからこその成熟した大人の判断。そんな気持ちの余裕が結婚後の夫婦生活にも役立てられていくように思います。

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