尾野マテオ
足かけ10年の婚活経験で得た雑感などの話。
ちょうど2か月くらい前から婚活や結婚をテーマにしたnoteを"より密に"書き始めて、いまでは週に2本ほどの投稿ができています。2021年2月4日の「婚活に行き詰っている人に伝えたいこと」にほぼすべての気持ちを書いたつもりでいましたが、1年間のブランクを経て補足したい部分を、また新たに伝えたい思いをちょこちょこ書き始めました。 過去のnoteをいくつか読んでくださった皆さんはご存じかもしれませんが、私はただの既婚者で、書いてる内容もリアルタイムの婚活日記でも結婚相談所の開業者
婚活で知り合った相手とメッセージやLINEでやり取りをすると、必ずと言っていいほど触れることになる話題が職業と趣味についてである。 私が婚活していた当時は「お仕事は何をされているんですか?」と聞かれれば職場の業種や自分の配属先での仕事内容をテンプレートをコピペするかの如くかいつまんで話したりするものの、いっぽうで「お休みの日は何をされているんですか?」と聞かれると、あーでもない、こーでもないと、なんて答えようか頭を悩ませたものだ。 いったい何故か? それは、お相手の方に
すごく突飛なことを言ってしまうと、スーパーやデパ地下など売られているパック寿司は婚活における出会いの場の縮図である。好きなネタも入っているし、そうでもないのも同様に入っている。基本的に、目の前に並べられた握り寿司(参加者)と対峙しなくてはならないし、好きなネタもそうではないネタとも一貫一貫(一人ひとり)真摯に向き合わなくてはならない。われわれは年齢的に大人なのだから食べ物は残さず大切に食べなくてはならないし、婚活の場で出会った相手とは礼儀正しく接しなくてはならない。 たとえ
Amazon.co.jpが提供するオーディオブック"Audible"を利用しているのだけど、最近村上春樹作「ノルウェイの森」(講談社、1987年)が俳優・妻夫木聡さんの朗読で配信された。 1つあったレビューに、同書の上下巻(初版本)を後に妻になる女性に「読んでみて」と渡した記憶がよみがえるとあった。発表された年を考慮すると、そのレビューを書いた人は50代半ばくらいではないかと想像する。であるとすれば、彼女にその初版本を手渡したのは20歳頃になり、20代といえば自分が気に入っ
村上春樹の長編小説「1Q84」のなかで、主人公の天吾が療養施設に入所する父親と2年ぶりに再会する場面がある。少年時代から父とは折り合いが良くないと感じていた天吾は、認知症をわずらい最初誰だか見分けさえつかなかった父親にたいしてこれまで抱えていた思いを(違和感を)少しあらたまった口調で話す。 私(筆者)はしばらくそこにある問いをあれこれ考える。 心の深い部分に関して、自分以外の人のことについてうまく話せそうにないので、自分自身について考えてみようと思う。 私は私自身を愛し
結婚して家庭に入ると役柄が増えて、子供を持つとさらに自分を取り巻く人間関係は増す。私(筆者)でいうところの、いままで「母の息子」や「本家の長男」くらいだったものが、自分の世帯を持つことで「妻の配偶者」になり、「子の親」になる。同居する実母がいることで「嫁姑の間の私」が顕著になって、役柄によっての役割をある程度見計らってきちんと生活しておかないと、家庭内のバランス計に黄色信号が灯りかねません。 たとえば、私の妻の役柄について書き出してみます。 我が家においてもっとも日々快適
妻の大学時代の仲の良い女友だちが近く離婚するそうだ。彼女には子供が3人いて、一番上の子は来年中学生で、一番下の子はもうすぐ3歳。新築の戸建て住宅は数年前に買ったばかりで、旦那は中学校時代の同級生らしい。 彼氏側の不貞が離婚の理由であるなら、3人の子供たちは母親のほうが引き取るのだろうけど、そのときの女性側の覚悟に称賛と敬意しかない。 ある年齢をむかえると、まわりから「誰が結婚した」という話が耳に届き、またべつの年齢をむかえると「誰が離婚した」という話に置き換わる。登場人物
だいぶ前に(8年ほど前?)村上春樹さんに期間限定でメールで質問できるサイトが開設されて、4万通弱の質問が寄せられたうち、3か月以上の日数を要して一割近くの回答を村上さんご本人が読者にされた企画があったんですね。 そのなかに「結婚の決め手はなんなんだと思いますか?」という質問があって、それにたいして村上さんは「僕の考える結婚の基準は、この人といたらぜったいに退屈しないだろうな、と思えること」と回答しておられました。 私自身、その回答自体に深い感銘は受けなかったのですが、そう
今回は珍しくというか、初の料理レシピ投稿です。自分が作った料理をあまり美味しいと感じることが少なくほんとたまにしか料理はしないのですが、このオムレツに関しては自分が作ってもとても美味いので、写真付きで皆さんに紹介したいと思います。 20代前半の頃、ホームステイ先でお世話になったおばさんに頼んで教えてもらったんですね。直訳で「じゃがいものオムレツ」(tortilla de patatas)という意味のスペインの家庭料理。外観はキッシュのようでもオーブンで焼くわけでなく、フライ
今回のnoteを書くきっかけにいたったのは、以下の夏木さんと佐久間さんの記事を読んだからなのですね。夏木さんは佐久間さんのnoteを読んで、佐久間さんは日野笙さんが書かれたものを読んで記事を書かれたようです。私もその連鎖にいざなわれて男性側として参加してみたいと思います。 元々の質問は「男性に何を優先するのか」というもので、ルックス、収入、性格、会話、セックスの5項目を軸に皆さんの、男性を選ぶ価値観を優先づけして語られます。 ここでまず興味深いのは、佐久間さんが「異性」と
足かけ10年の婚活を通じて何人の女性と顔を合わせたのか、いまとなっては数えられない数字なのだけど、「きっとあのときのあの彼女はこのことを目にしたりするたび、きっと僕のことを思い出すのだろうな」と、自意識過剰な気持ちになる事柄がある。 なんてナルシーな奴、と思われたかもしれない。 しかしですね、私たちの人生において「それ」を目にしたり耳にしたりするたび、その日のことだったりまわりにいた人や物事だったりを半ば強制的に思い出すことがある。幸か不幸か、好むと好まざるとにかかわらず
2年ほど前に同じタイトル(2年目が4年目になっただけ)のnoteを書いた。今回また自分自身が結婚したことへの感想を中心にというか、いまの実感としての結婚観について書いてみたいと思う。 2年前といまとで状況が違うことは大きく以下の2点である。(1)まず妻がいわゆる専業主婦からパートタイムで働くようになったこと、(2)もう一つが息子が2歳になってから保育園に通うようになって1年が過ぎたこと。 「子供は宝物である」とか「守らなくてはならない存在」とかいうのではなく、とにかく物理
先日、最大20,000円相当分のマイナポイント申込みの対象となるマイナンバーカード申請期限が先月末の2月28日だったのでかけ込みの申込者が殺到した、というニュースが報道されていたけれど、やはり人は期限があると行動を変えるんだなと納得した。 一か月ほど前に「婚活の期限」というタイトルでnoteを投稿していて、そこでの私の立ち位置は、「婚活の期限はべつにムリに決めなくていい。決めたい人は決めればいいし、決めたくない人は納得行くまで続ければいい」というものだった。 マイナンバー
結婚するならどういうお相手がいいですか?との質問に、「優しい人」と回答される皆さんは少なくないと思う。冷たい人、感じの悪い人、はたまた性格の悪い人との結婚生活なんて想像したくないですもんね。 でもそれは、優しい人という名の「ふつうの人」なんですよね。悪い意味じゃなくて、ごくごく一般にいって当たり前の態度やふるまいができるという意味でのふつうの人。 求められるふつうの優しさ 婚活を通じて知り合ったある女性が言っていたのですが、男性は好きな人にたいして優しくて当たり前で、そ
村上春樹さんの「ノルウェイの森」は、同じ大学に通う主人公のワタナベと小林緑、そしてワタナベのかつての親友キズキの恋人・直子との三角関係を描いた、言わずと知れたベストセラー恋愛小説です。一度読んだことがある、という方もたくさんいらっしゃると思います。物語の後半、緑がワタナベにむかって胸をうちを告白する場面の台詞の一部が、引用のそれですね。 「仕方ないでしょ、あなたのこと好きになっちゃったんだから」のような台詞は、私なんかは一生のうち一度は言われたいけど、今回婚活をテーマにした
家事や育児やその他諸々、結婚生活において男性が女性に代わってできないことは唯一「子供に母乳をあげること」だと思うのですが、それ以外はいちおう男女平等に家事などを担えるわけですね。 とはいえ高いところや重い物をもつ仕事のようなことは男性が率先してやるべきだとか、料理や洗濯などは女性がやってくれるとありがたい、とかの「潜在的な」価値観は、たぶんあると思います。理屈でどうこう言っても無意識に相手に求めてしまいますよね。 すごく恥ずかしい話、たとえば食事の後の皿洗いを私が引き受け