【第2話】虹色の数
(この話は、紙と鉛筆を持って一緒に計算して読んでいくと、よりお楽しみいただけるかと思います。)
こう「砂場に虹があるの?」
T「そうなんだ。ちょっと今から言う計算をしてもらってもいい?」
りん「うん」
T「142857✖️1」
りん「こんなの計算しなくてもできるよ。」
T「これはそうだね。でも、式と答えを書いといて。」
2人は同時に砂場の真ん中にしゃがみ、人差し指で砂場の砂を掘り、式を砂に書き始めた。
142857✖️1=142857
砂場の真ん中に式が表れた。
T「では次。142857✖️2」
こう「これは筆算が必要だなぁ。」
2人はそれぞれに、砂場の端っこの方で筆算を書き、先程の式の下に続けて式を掘った。
142857✖️2=285714
りんちゃんは何かに気付いたみたいだが、自信がないようだ。
T先生は続ける。
「142857✖️3」
「142857✖️4」
「142857✖️5」
「142857✖️6」
2人は負けじと続けて式を書き、端っこの方で筆算をし、答えを書き続けた。
こうくんは少し計算に時間がかかっているようだ。
こう「全部できたよ。」
T先生「よし、なんか気づいたことない?」
りん「同じ数字しか出てこない!」
こう「すごい、数字がまわってる!」
りん「数字がまわってる?」
T「よし、色をつけて見やすくしてみよう。」
そう言ってT先生は、ポケットからたくさんの色が入ったチョークを取り出し、石にこすりつけて粉末にし、同じ数字には同じ色をかけていった。
(実際、私はチョークを持ち歩いていません。)
りん「ほんまや。まわってる。」
こう「なんか不思議〜。」
りん「これってずっと続くの?」
こう「虹なのに、まだ6つしか出てきていない。」
T「2人ともいいところに気がついたね。このおもしろい法則は、
142857✖️6
で終わりなんだ。でも、次の
142857✖️7
で感動的な終わり方になる。そこで、7つめの数が出てくるんだ。でも、オレはご飯を買いに行くからここで失礼するよ。」
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