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水平思考ゲーム前編~ウミガメのスープ~

今回はとある有名なゲームについてご紹介します。そしてそのゲームをもとに数学的なゲームを作成してみましたので前編、後編に分けてお話をしていきます。前編では、主に元になったゲームの話、後編から数学(グラフ理論)を使ったオリジナル・ゲームの話をしていきます。

この記事の主な内容
1.ウミガメのスープ
2.真相は?
3.水平思考とは
4.さいごに

1.ウミガメのスープ

みなさんは「ウミガメのスープ」というゲームをご存じでしょうか。世界的に知られているゲームではありますが、トランプやサイコロを使ったゲームに比べるとそこまで一般的ではないかもしれません。
 このゲームは「出題者」と「回答者(複数)」に分かれます。シンプルに説明すると「出題者」が問題を出して、最初に答えを導いた「回答者」が勝者です。このゲームでは、出題者がある状況の一部をかいつまんで説明します(つまり出題者は最初から全てを知っています)。例えば

【問題】Aさんは大好きなお菓子を落としましたが、大いに喜んでいます。なぜでしょう?

このように一見すると不可解な状況ですが、これはある状況を切り取って述べています(つまり事実を述べています)。このような出題者の問題に対して、回答者が順番、あるいは早押しで「質問」あるいは「回答」を行います。「質問」とは、全てを知っている出題者に対して例えば

回答者1「Aさんは故意にお菓子を落としましたか?」

と質問を投げかけることができます。このような質問に対して出題者は「Yes」「No」「それはわかりません」の3通りの返事で返します。場合によってはその後に少しヒントを出すこともあります。例えば今回の場合

出題者「Yes!いい質問です。Aさんは落としたから喜びました」

そして、次の回答者が

回答者2「落としたお菓子は食べられなくなりましたか?」

出題者「No!むしろ落としたから食べられます。」

このような形で出題者の返答とヒントが全員に共有されていくので、徐々に真相が明らかになっていきます。回答者も状況がわかった時点で「解答」をします。正解していれば、勝利、不正解の場合な次の「発言1回休み」などのペナルティを課します。

2.真相は?

みなさん、先ほどの問題の真相、わかりましたか?答えを言ってしまうと

「Aはクレーンゲームで大好きなお菓子を見事に落とし、ゲットしたので喜んだ」

というオチです。「落とした」というのは「クレーンゲーム」の話だったわけです。このように正確な状況の一部を切り取ってみると全く受け取る印象も変わってきますよね!

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このようなゲームを水平思考ゲームと言います。

3.水平思考とは

水平思考(リテラル・シンキング)とは1967年頃にエドワード・デボノによって提唱された概念で、「問題解決のために既存の概念や考え方にとらわれず、あたらしいアイデアを生み出す方法」のことです。
 もともとは論理的・分析的思考に基づいて、一つの穴を掘り下げていく「垂直思考(ヴァーティカル・シンキング)」というものが主流でした。これに対して水平思考は多様な視点で物事をとらえ、全く新しい発想を生み出すものです。穴を掘り下げていく垂直思考に対して水平思考は「新しい穴を掘っていく」といったイメージです。

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4.さいごに

いかがでしたでしょうか?「ウミガメのスープ」は非常に想像力・発想力が鍛えられるゲームです。実際に様々な本で取り上げられています。例えば下のような書籍も面白いかもしれません。

また、有名な問題を集めた「問題カード」も販売されているので、実際にプレイするのにオススメです!

さて、「ウミガメのスープ」の遊び方は理解できましたか?次回はこのゲームををもとにした「グラフ理論版ウミガメのスープ」をご紹介します!お楽しみに!

和からでは数学的思考や論理的思考についても学ぶことができます。今回ご紹介した思考力というものは中学・高校で「教科」として存在はしていませんでしたが、問題を解決してく上で大事なスキルとなります。特にデータ分析の世界ではこうした「論理的思考力」が重要視されており、まずは数式なしでこういった考え方やとらえ方を鍛えていきたいという方は以下のセミナーがおすすめです(期間限定無料!)。

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<文/岡本健太郎>

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