数的思考を身に着けるための2つの方法
数的思考は私にはなかった
まず、「思考力」について思い出してしまう、私のエピソードをお話しましょう。
起業する前の話です。常に私は悩んでいました。いくつもの職を転々とし、何をやっているんだろうと、自暴自棄になっていたこともあります。自分に対してのイライラも決して少なくありませんでした。
そんな中、いろんな人に生き方を相談しました。そこでたくさんのことを言われました。よいことも、悪いことも。様々なアドバイスも。そのすべてに今では感謝しています。
しかし、中にはショックを受けるような意見もたくさん頂きました。
「君は考える力がないよね。」
「頭が悪い。」
と。誇張ではなく、実際に、何度も言われています。
一応今では、数学教室を立ち上げ、うまくいく仕組みを作った(皆様のご協力のおかげですが)のですが。数学はできたのに、思考力はない。
それは、21歳、大学生のとき。そんな台詞を大人から言われていました。
でも、今振り返ってみると、こう思います。
考える材料がないから、考えていないだけだった・・・ということです。つまり、私にはビジネスの知識は全くありませんでした。世の中がどうなっているのかもほとんど理解していませんでした。だから、考えても答えが出なかったのです。考えることには、材料が必要です。つまり、知識です。何らかの知識がなければ答えなど出すこともできません。
何もないところから思考するのはそもそも不可能だったのです。数的思考力がないわけではありませんでした。ただ、数的思考を活かすような「材料」がなかったという話です。
いろいろな人から思考力を身に着ける相談をされますが、考える力がないのではなく、知識が足りないだけのケースも散見されます。
思考力を活かすのは知識次第
考えても考えても、「知識」がなければ何も出てきません。
それは「料理」と似ているかもしれません。いくら一流の職人が作った素晴らしい包丁があっても、良い鍋があっても、焦げ付かないフライパンがあっても、美味しい料理はできません。料理を作るためにはまずは野菜や肉など材料・素材が必要なのです。
まず、素材があってこそ、料理を作ろうと思えます。むしろ、素材を使って、料理器具で調理しても、どんなに良い素材を持っていても、料理器具をその素材に合わせた使い方を知らなければ宝の持ち腐れになってしまうのです。
素材とは、「知識」のことです。思考するための知識です。その知識を一つ一つ積み上げていく必要があるのです。
数学を活かすために足りないのは、圧倒的に”知識とのつながり”です。
数的思考を身に着けるための数的知識とは
数字で物事を判断するための思考法も全く同じです。数的思考がきちんとできるとは、知識+思考フレームがあることを指します。
知識・・・数字力のこと。世の中、日常、社会、ビジネスの数字の知識のこと。
思考フレーム・・・数学的な構造、枠組みのこと。様々な論理的に物事を考えるための様々なフレーム。
この2つを常に意識して数的思考を身に着けていくことが大切です。知識だけ得てもダメ、思考フレームだけ得ても、ダメです。活かせません。
両方です。常に両方が問われています。しかも、この2つの側面で学べるようなコンテンツが世の中にありませんでした。もちろん、書籍を1,200冊くらい体系づけるように読めば学べるかもしれませんが、そんな時間なかなか取れません。少なくとも、端的に学べるものは私には見つけられませんでした。
だからこそ、数的思考が学べるためのセミナーを数的知識の側面と、思考フレームという2軸から、この大人の数トレ教室で作っています。
<文/堀口智之>