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【読書録】なぜ、生きているのかと考えてみるのが今かもしれない(辻仁成)
こんにちは。
文系脳の数学教員Fujiです。
今回の読書録は、
辻仁成さんの『なぜ、生きているのかと考えてみるのが今かもしれない』です。
辻さんと言えば、『冷静と情熱のあいだ』『サヨナライツカ』などが有名どころでしょうか。とにかく美しい日本語を描かれる作家さんで、好きな作家さんの1人です。
また、音楽家としても顔も持ち「zoo」なんかはあまりにも有名です。
(辻さんのYouTubeチャンネル ↓ )
では、本の紹介に移ります。
フランス在住の作家・辻仁成氏が、新型コロナの感染拡大とともに変化する生活の様子をしたためたDesing Storiesのブログを緊急出版!
新型コロナによって、「生」や「死」、「人とのかかわり」、「生き方」について、守るべき人や守るべきものを持つ人へ捧げる1冊。書下ろしあり。
(amazonより引用)
2020年8月に出版され、
Yahoo!検索大賞2020「作家部門賞」
を受賞!しています。
この本には、コロナの脅威が始まった2020年2月から6月ごろまでの辻さんの日記がまとめられています。
綴られているのは、ロックダウン下のパリで息子と2人で暮らす辻さんの何気ない日常や葛藤。
辻さんの美しい文体はもちろんこの本の魅力の1つではありますが、この本で最も魅力的に映るのは、辻さんの息子(16歳)です。
「いいんだよ、人間なんだから」
これは、弱気になる辻さんに息子がかけた言葉です。さすがは辻さんのご子息。強い言葉を持っています。
辻さんはこの本のあとがきで、
書いているときには気がつかなかったが、この本にはパンデミックの時代を生き抜く「人間の心構え」が書かれている。
と綴っていました。
この一言にハッとしました。これまで私たちは、未知の感染症に対する物理的に様々な対策を行ってきました。
しかし、「人間の心構え」ができていたのでしょうか。
コロナ禍を生きるわたしたちを救うのは、テレビから流れてくるのはセンセーショナルな報道などではなく、世界のどこかで誰かが綴ったなにげない「日記」なのかもしれません。
ここから辻さんの日記を読むことができます。
読書録にお付き合いいただきありがとうございました!