数学花壇 〜放物線編⑨〜
エピソード9:イメージだけに頼るな!だが頼れ!
すでにこのこと自体が幻術なんじゃないか?
名前を確かめてみなさいってことですね?任せてください。
こんな感じで名前を確かめてみました。
「よき。確かにParabola y²=4xになったのう。確認じゃが定直線の位置はどこでもよかったかのう?」
いいえ、原点と準線の間です。
「原点と準線の間ならどこでもよかったかのう?」
はい、そのはずです。
「では定直線はx=a(-1<a<0)としたら定円の半径はどうなるかのう?」
ええっと、定直線と準線との距離が定円の半径になればいいから・・・
a+1でしょうか?
「うむ。その設定で名前を確かめてみよ。」
確かめるといっても定直線をx=-1/2からx=aに変えて、定円の半径を1/2からa+1に変えればいいだけですよね?
「そうだのう。」
こんな感じでしょうか?
「よき。三平方の定理を使わずに示せるかのう?」
別の方法で確かめるってことですか?
「うむ。Parabolaは正方形と長方形の面積の一致だったが、放物線の定義はなんだったかのう?」
定義?そんな話はなかったと思いますが?
「そうだったかえ?Parabolaをとらえるために最初にした質問は何だったかのう?」
点Fと、点Fを通らない直線Lから等しい距離にある点Pはいくつある・・・
もしかして教科書通りの定義を使っていいんですか?
「うむ。いつ使ってはいけないと言ったかえ?」
わかりました、定義を使って示してみます。
そうか!PHの長さが、PAの長さと等しいことを示せばいいのか!
こんな示し方でどうでしょうか?
「よきよき。もう一度聞くが、定直線の位置はどこでもよかったかのう?」
さっき答えたばかりなのになぜ?
いいえ、準線と原点の間です。
「本当にそうかのう?」
ちゃんとParabolaになることを示せたから問題はないはずです。
「示せたのは定直線が準線と原点間にある範囲内であって、その範囲外では成り立たないことを示せたわけではないのう。」
確かにそうですが、これ以外のイメージが・・・
「定直線が準線を越えるとどうなるかえ?」
動く円の半径が、点Pと定円の中心との距離を越えてしまいます。
「そうなるとどうなるかのう?」
動く円が定円と2点で交わります。
「そうだのう。それで?」
もっと大きくすると交わらなくなってしまいます。
「そうだのう。それで?」
それ以上はずっと交わりません。
「そうだのう。それで?」
・・・もうこれ以上は答えることはないです。
「2点で交わると、交わらなくなるの間は何かえ?」
2点で交わると、交わらなくなるの間?あっ、そうか、1点で交わる瞬間!
すいません、見落としていました。1点で接します。
「そうだのう。イメージを共有するかのう。」
わっ、すごい!内接していてもParabolaがつくれている!接するというと、外接するイメージばかりを思い浮かべていたけど、内接する場合もあったんだ!
ありがとうございます、内接までイメージできてなかったです。
「よき。これは定直線がx=-2で、定円は中心が(1, 0)で半径が1じゃ。」
名前を確かめるかのうですね?
「うむ。」
求まりました!Parabola y²=4xになる設定だったんですね!
「うむ。外接、内接どっちでもつくれることを体感できたじゃろう。」
はい。
「じゃがまだ体感は終わってない。定直線は準線を越えているならどこでもよかったかのう?」
・・・外接のときと同じように定直線をx=-2からx=aに変えて、定円の半径を1から-1-aに変えれば確かめられると思います。
「うむ。ならば」
その設定で名前を確かめてみよ。ですね。
エピソード10に続く。
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