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勉強は強制するものではなく、背中を押してあげるものでなければならない

勉強は強制するものではなく、背中を押してあげるものでなければならない

これは、僕の指導理念の1つです。

これまで100人以上の学生と接し様々な学習状況を見てきましたが、どんな学生にも学習習慣が身に付かない原因はそれぞれ明確にあるなという感覚が実感としてあります。

まず大きくは、勉強したいという気持ちはあるけどできない人・そもそも勉強がしたくない人の2つに分けられますが、勉強したいのにできていない現状がある人の多くは、学習カリキュラムを明確にしてあげれば自然と学習時間が伸びていく場合がほとんどです。

具体的には、

・どの教材を
・どんなやり方で
・どんなペースで

こなしていくのかを明確に伝えてあげます。

そうすることで、「勉強したいけど何をどうすればいいか分からない」という状況を回避し、机に向かえばいつでもすぐに適切な勉強ができる状態を準備してあげられます。

意外にも学校で「勉強のやり方」って教わらないんですよね...

学校では宿題以上の家庭学習まではなかなか面倒を見てもらえないのが実情です。

なので勉強したい・しなくちゃいけないと思ってるのにやり方が分からない学生が割と多くいて、そんな人たちには「やり方」さえ明確にしてあげれば学習時間はグッと伸びていくということです。


では、そもそも「勉強なんてしたくない」、けれど親御さんが心配して学習塾や家庭教師を頼るに至った場合はどうでしょうか。

もちろんこのようなご家庭ともたくさん面談をしましたが、この場合の多くは勉強に対してものすごく高いハードルを設定してしまっています。

勉強は大変で、辛くて、楽しくなくて、頭を使わないといけなくて、苦行でしかないというイメージを持ってしまっているということです。

親御さんからお話を伺うと「勉強しなさいとは言てるんですけどね...」なんてお言葉をいただくこともあるのですが、正直なところ学生にとっての「苦行」に対して「しなさい」と強制することは効果的ではないと思っています。

物理的に飛び越えることができないハードルに対して「飛びなさい」と言っても無理じゃないですか。
かえってハードルを高くしてしまいますよね。

なので僕は勉強を教える者として、強制するのではなく、「ハードルを下げてあげる」ということを必ずします。

あくまでハードルの高さを高く設定してしまっているのは生徒自身なので、実はハードルは下げてあげることができるのです。

具体的には、勉強がしたい気持ちがある人と同じように、まずは勉強のやり方を明確にしていつでも勉強がすぐにできる準備をバッチリにします。

そしてそれと同時に、「答えは写してもいい」と言うことを強調します。

これは、必ず親御さんにもご理解いただきます。

一般的には答えを写すことは悪とされていますし、親御さんもお子さんが答えを写していたら叱ることがあるでしょう。

ですが、僕は絶対に「答えは写してもOK」派です。

理由はあります。

まず最も大切なことは、

勉強することの本質は答えを写すことによって失われない

ということです。

過去にも記事にしていますが暗記科目であれば「思い出すこと」、数学であれば特に「論理を理解すること」に勉強することの本質があると考えているので、これらを意識した上での「答え写し」は決して悪ではありません。

「思い出すこと」「論理を理解すること」を意識しながら答えを写せば、それは効果的な勉強だと言えます。

答えを見ながらでも「これなんだったっけな」「確かにこれだったな」「なるほど、こういうことか」と考えることが大切なのです。

答えを隠しての勉強はその先のアウトプットの段階で全然構いません。

これらについては別の記事でかなり細かく書いていますので、ぜひ読んでいただければと思います。

そして2つ目の理由としては、宿題に追われることがなくなるということです。

宿題に追われている状況だと、塾や家庭教師などの授業で多少補うことになり、課題も出せないので復習の時間もほとんどとれません。
となると授業内容も中途半端な理解になってしまい、どんどん置いていかれますよね。

ですがここで本質的に答えを写すという選択肢があれば、宿題が時短できてより効果的な授業にすることができるでしょう。

また、仮に「ただ答えを写しただけ」で本質的な勉強ができていなかったとしても、貴重な塾や家庭教師の授業時間を無駄にすることなく受けることができます。
宿題に追われるよりはよっぽどいいです。

まずは授業の時間をより充実したものにして、その後にアウトプットの時間・回数を設けることを考えればいいと思っています。
勉強は1周することよりも2周3周と繰り返し復習する方が効果的だからです。

そして何より、「答えを写してもいい」という認識は、勉強の高いハードルをグッと下げてくれます。

飛べないと思っていたハードルが、「もしかしたら飛び越えられるかも」と思えることは、学習習慣への大きな1歩に違いありません。

以上の理由から僕は「答えを写すことは悪ではないよ」ということを生徒・保護者との3者面談でお伝えするようにしています。

学生だとしても自宅にいる時間が長い以上、必ず保護者の方にもご理解いただかなければなりません。

あくまで強制はせず、ハードルを低く設定してあげて、

「よし、じゃあ答え写しながらでもいいからやってみよっか」

こういった姿勢でまずは1回飛び越えさせてあげる。
1回飛び越えてみないことにはその先は全く見えてきません。

だからたとえ答えを写しながらでも

嫌いな勉強をよく頑張ったね

これで全然いいんです。

僕たちにできることはとにかくハードルを低くして、飛び越えさせてあげることだけですからね。


ありがたいことに、これで学習時間が増えたと言っていただけることが多いです。

もちろん僕のおかげだとは一切思っておらず、生徒の頑張りがすべてだと思っていますが、同時に「強制」は最後の手段でないといけないなと実感しています。

できる限りハードルを低く設定してあげて、それでも飛び越えようと意思決定ができないような場合には、僕たち周りの大人が寄り添った上で

一緒に飛び越えてみようか

とことんまで背中を押して、押して、押しても押しっぱなしにはしない。
そんな強制の仕方であってほしいと思っています。
ただし不要な強制はできる限り後手、後手です。

改めて、きっと

勉強は強制するものではなく、背中を押してあげるものでなければならない

それは教育的にも、学習習慣のための有効な手段としても、学習指導者の正義としても普遍的なものなのではないでしょうか。



僕は常に生徒を背中から見守り、時には工夫して背中を押してあげたい

そう思いながら日々生徒の学習と向き合っています。
そしてもちろん、個別指導でもそれを色濃く反映しています。

唯一無二のマンツーマン指導をご提供いたします。
少しでも気になっていただけましたら、お気軽にご相談ください。


【補足】

勉強のハードルを下げる方法を、根本的に意識の観点から解説した記事を以前書きました。
学生だけでなく、大人の皆さんにもぜひ読んでいただきたい記事になっております。
ぜひご覧になってみてください。


今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。

今後も引き続き、数学を教えている立場から数学・勉強・人生の学びについて共有していきます。
フォローしてお待ちいただけると嬉しいです。

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