【未開封】北野武「あの夏いちばん静かな海。('91オフィス北野)」Blu-ray
未開封新品です。北野武監督第3作。耳の聴こえないサーファー役を真木蔵人が演じます。
聾者の青年・茂は、ある日捨ててあったサーフボードを拾い、やはり聾の恋人・貴子と海に出ます。サーフィンが好きになった茂は、必死に波と格闘、サーフボードが壊れますが、給料日に新しいサーフボードを買う茂。そしてサーフィン大会に出場するのでしたが、出場の呼び出しが聴こえなかったために失格になります。
2度目の挑戦で見事優勝した茂。それから日が経って、茂に会いに貴子が海にやってきますが、そこに茂の姿はなく、ただ彼のサーフボードだけが波打ち際を漂っているのでした。
北野武が初めて映画に出演せず、監督に徹した作品です。本作で初めて久石譲が音楽を担当しましたが、武は「極力、音楽を抜きましょう」と提案。久石が作曲した主題歌は採用されましたが、あとは限りなくサイレントに近い映画となりました。
北野映画は「引き算」の映画だと思います。普通の映画にはある過剰な演出や過剰な音楽、余計な台詞を排し、極力シンプルな映画を作ろうとします。「あの夏、いちばん静かな海」はそれが成功し、映画監督の黒澤明、評論家の淀川長治や蓮實重彦から絶賛されました。
淀川長治は「あのね、日本の映画の歴史の中でね、一番と言いたいくらいあの映画好きなのね。なんでか言うたらね、あれってとってもサイレントなのね。サイレントだけど見とったらラブシーンが一番いいのね」と称賛しています。
黒澤明も北野映画を高く評価していますが、たけしとの対談でこの映画に触れ、「ラストシーンは余計だったんじゃないか」とたけしに苦言を呈しました。たけしも、最後は観客サービスで入れてしまったと答えましたが、黒澤明が本気で感想を述べるあたり、北野武の才能が本物だということを示しています。
勝新太郎はたけしに「お前、この映画撮ってて気持ちよかっただろ。でも観る側にすれば、これほどキツイものはないよ」と言ったということです。
映画の作り手を本気にさせるものが、北野武の映画にはあるということです。
「あの夏,いちばん静かな海。('91オフィス北野/東通)」
真木蔵人 / 大島弘子 / 北野武
定価: ￥ 3800
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