【新品未開封】ゴダール「気狂いピエロ('65仏/伊)」
※【注意】この解説文にはネタバレがあります。嫌な方は、解説を読まないで購入することをオススメします。
ヌーヴェルバーグを代表するジャン・リュック・ゴダール「気狂いピエロ」であります。ヌーヴェルバーグは英語読みだと「ニューウェーブ」の意味で、「新しい潮流」のことですが、要するに過去の映画にはない新しい試みの映画だと言うことです。
つまりこれまでの映画製作の常識に囚われない映画であり、具体的に言うなら、それまで「こういう撮り方をしてはいけない」とされた撮り方で作られた、無茶苦茶な映画だということです。
70年代のパンクロックもそうなんですが、それまで音楽的に高度に発展したロックを一旦ぶち壊して、新しいロックを作ろうとして無茶苦茶やりましたね。パンクとヌーヴェルバーグはジャンルが違いますし少し意味合いも違うのですが、無茶苦茶をやるという点は同じです。
無茶苦茶をやる目的で死ぬまで突っ走るという映画を撮ったのは、確かに当時の映画常識から外れていて、その意味で天晴れです。普通はこんな映画、作りたくても映画会社が許しません。
結婚生活に嫌気がさしていたジャン・ポール・ベルモンドが昔の愛人と再会、2人でアルジェリアのギャングに追われながら逃避行をします。途中で愛人はベルモンドに愛想を尽かし、ギャングと通じてベルモンドを裏切る。ベルモンドは愛人を銃殺し、顔にペンキを塗ってダイナマイト自殺を図りますが、本気ではありませんでした。導火線に火がついてから我に返って慌てて消そうとしますが、間に合わずに爆死します。ストーリーを振り返っても滅茶苦茶です。
最後にカメラが地中海にパンしてアルチュール・ランボーの詩が流れますが、だからどうしたというんでしょう。因みにこの海辺へのパンは溝口健二「山椒大夫」へのオマージュです。
映画マニアの基礎教養として、滅茶苦茶な映画を見てスカッとしたい人は是非ご覧になって下さい。未開封新品です。
「気狂いピエロ('65仏/伊)」
ジャン=ポール・ベルモンド / アンナ・カリーナ / ジャン=リュック・ゴダール
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