引っ越したら最初にすべきこと 1選
そろそろ新年度。
引っ越しのハイシーズンに突入します。新天地にて新しい生活が始まるという方も多いはず。tiktokなどでも「入居のときにまずやること○選」なんて動画がたくさん公開されます。それを見てみなさんもガスコンロの隙間を埋めていることでしょう。
しかしそろそろ思い出さないといけません〝引っ越し蕎麦〟という文化を!
年始におせちを食べ、初詣に行く。
一月には七草がゆを食べ、五月には鯉登りを飾り、ひな祭り。七月にはお中元を贈り、八月には墓参り、十二月にはゆず湯に入り、お歳暮を贈る――。
誰に強制されるわけでもないけども、習慣としてなんとなく意識してしまう事柄はたくさんあります。引っ越し蕎麦もそのうちのひとつではないでしょうか。
わたしも引っ越し先のすぐ隣にそば屋があったときは、とりあえず行ってしまいました。どういうものかは知らずとも「引っ越し蕎麦」という単語は耳に馴染みがある。引っ越したときには蕎麦を食べる、と漠然と知った気になっていました。
引っ越し蕎麦についてwikipediaを読んでみたらびっくりしました。
まず、引っ越し蕎麦は引っ越しの際にご近所に配るものだったのです。「向こう三軒両隣」五軒のご近所さんに蕎麦を配るというものです。「細く長い」付き合いという意味があるそうです。近所には二枚、大家さんには五枚の蕎麦を配ったと書いてありました。江戸時代、天明年間には始まっていたとのことで、ざっと240年前には根付いていたようです。
しかも当時の蕎麦は乾麺でなく生蕎麦が一般的で、配っても傷んでしまうことから「蕎麦切手」なるものがあり、これを持ってそば屋に行けば蕎麦が食べられるようになっていたんです。近所のそば屋に「蕎麦切手を頼む」と言って必要分発行してもらい配るようです。現代で言うところの「小切手」や「商品券」のようなものです。
さらに驚いたのが元々江戸(東京)の文化で、関西など地方都市にはない習慣とのこと。近代では情報の伝播速度が江戸時代とは比べものにならないほど発達しているので、全国にこの「引っ越し蕎麦」という単語が広まったのでしょう。
昨今では蕎麦どころか、防犯上の理由から引っ越しの挨拶そのものを行わないというのが一般的になってきました。しかし食べに行くくらいは簡単です。安くて美味しいのがお蕎麦の良いところ。
この四月に新生活を始めるみなさん、引っ越したらまずすべき事は分かりましたね?
それでは!
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