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「輪るピングドラム」解説と感想【幾原邦彦】


少女革命ウテナという作品が好きだったので
この監督の作品をもっと見てみようということで今作を視聴しました。

不治の病をわずらった妹を救うために、
ペンギン皇女から与えられる使命
「ストーカー少女が持っている日記を奪う」
それをこなす二人の男兄弟

というのがこの話の導入となります。
ストーカーとか同性愛とか仮面夫婦とかカルト教団とか
色々やばい要素がミックスされています!😋

🐧ということで「生存戦略…しましょうか!」

■当時、アニメ、輪るピングドラムはどのように評価されたのか

✨dアニメストア for Prime Videoで視聴できます

アニメ『輪るピングドラム』は、2011年に放送され、
当時から非常に高く評価されました。
この作品は、『少女革命ウテナ』で知られる
幾原邦彦監督が手がけた新作として注目を集め、
独特のストーリーやビジュアル、哲学的なテーマで
視聴者や批評家から評価を受けました。

以下のような点で評価が高かいようです。


・斬新な物語構成

作品は、兄妹たちが謎の「ピングドラム」を探しにいくというストーリーを基にしているものの、事件や運命、家族愛、個人のトラウマなどの重厚なテーマを含んでいました。これらのテーマがシンボルやメタファーとして登場し、視聴者の考察を促す深みのある構成が特徴でした。

*

この作品は、キャラクターのほとんどが最初登場したときよりも
後々…裏の設定が見えてくるみたいな構成になっていて
✨「キャラのほとんどが実は裏の顔があった」というようなギミックがあります、そこも興味深いです。

…ただ形式的すぎるといえば、そうかもしれません。
形式的すぎて…見る方としてもメタってしまうところがあり
感情移入しにくい部分もあります。🤔

✨輪るピングドラム (上) 【小説版】 (一般書籍)

・ビジュアルとデザイン

鮮やかな色使いや独特のキャラクターデザイン、幻想的な演出が視覚的にも印象的でした。また、登場する🐧「ペンギン」のキャラクターがシリアスな内容とのバランスを取り、作品にユーモアを加える役割も果たしました。

*
特に一部のキャラクターにしか見ることのできないペンギンたちが
コミカルで特徴的です。重い要素を抱えているためそれを緩和するような
効果があります。😌
…しかし同時に、全体に軽い印象与えてしまいドラマに感情移入しにくい部分もありました。🤔

また作画ですが、正直少女革命ウテナの作画を期待していた自分としては
ちょっと劣化しているように見えて…萎えましたw


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・キャラクターとテーマの深さ

キャラクターの背景や心理描写が複雑で、家族や社会問題など現実的な問題にも深く切り込んでいました。特に、オウム真理教事件に着想を得た設定があるとされ、視聴者に強いインパクトを与えた点が話題になりました。

*

このオウム真理教のような事件を起こした親を持っていたという設定が
中盤で明らかになるあたりからどっとこの作品が深く感じられました

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・音楽と演出

BGMや挿入歌も印象的で、石川智晶ややくしまるえつこなどのアーティストによる音楽が作品の雰囲気を一層引き立てました。音楽がキャラクターの心情やシーンの緊張感を効果的に表現し、視覚的な演出とともに作品の魅力を高めました。

✨輪るピングドラム オリジナルサウンドトラック 1

*

ウテナと比較すると、一般的な意味でポップであるし
攻撃的なサウンドにはなってる
んですが
もっとミステリアスな楽曲が欲しかったかなと思いました。
せっかくシンボリックというかシュールな世界観になってるので
惜しいかなと。


『輪るピングドラム』は、当時の視聴者にとっては難解ながらも引き込まれる作品として受け入れられ、アニメ業界やファンの間でカルト的な人気を得ました。


■輪るピングドラムは、どのような規模で受け入れられた?

『輪るピングドラム』は、視聴率や一般的な商業的成功の面では大ヒットとは言えませんが、コアなファン層に支持され、カルト的な人気を獲得した作品です。

放送当時から熱心なファンや批評家の間で高く評価されており、
独自のテーマ性と大胆な表現が話題を呼びました。
そのため、DVD・Blu-rayの売り上げや関連商品、サウンドトラックなどで一定の成功を収めました。

また、放送から10年が経った2021年には、
10周年プロジェクトとして劇場版『RE of the PENGUINDRUM』が制作・公開され、ファンからの支持が根強いことを示しました。

✨劇場版『RE:cycle of the PENGUINDRUM』Blu-ray BOX<期間限定版> [Blu-ray]

こうしたプロジェクトや関連グッズの発売も続き、長期間にわたって愛される「隠れた名作」としての地位を確立しています。


■輪るピングドラムでは、地下鉄のシーンが多く、オウム真理教のような団体が地下鉄サリン事件を起こしたかのような描写があるが、実際の設定はどうなのか?

『輪るピングドラム』は、オウム真理教の地下鉄サリン事件に触発されたテーマやイメージを取り入れていると言われていますが、
直接的にサリン事件そのものを再現したわけではありません

↑🐧リピートシーンの一つ、駅の電光掲示板表現

このアニメでは、地下鉄が「運命」や「逃れられない因果」を象徴する場所として多く登場し、物語の中で悲劇的な出来事が地下鉄で発生するシーンがありますが、実際の事件を再現する形ではありません

監督の幾原邦彦は、現実の事件をベースに物語の骨格を構築することで、「家族」「罪」「許し」といった普遍的なテーマを追求しようとしました。この作品では、「運命」というものに抗いながら生きるキャラクターたちの苦悩や葛藤が描かれ、地下鉄はそのテーマを象徴する場のひとつとして用いられています。

✨さっちゃん最後のメッセージ 地下鉄サリン被害者家族の25年

■輪るピングドラムは、キャラクターが蘇生されたりしますが魔法のようなものが存在する世界観なの!?

『輪るピングドラム』では、確かに魔法的な現象や超常的な出来事が描かれていますが、それは現実世界における魔法のようなものではなく、
むしろメタファーや象徴として扱われています

たとえば、あるキャラクターの蘇生や「ピングドラム」を探す使命などがそうですが、これらは「運命に抗うための手段」として描かれ、視聴者に対して哲学的・心理的な意味合いを持たせています。

↑モブは記号表現である。ひだまりスケッチにもこんな感じなのありましたね

この作品の世界観では、「運命」「愛」「喪失」といったテーマが超自然的な出来事に絡められ、視覚的・物語的に象徴的な表現が多く含まれています。蘇生の場面も、現実的な魔法ではなく、キャラクターの感情や過去のトラウマ、そして「運命」という避けられないものに対する「願望」が形になったものとも解釈できます

そのため、『輪るピングドラム』における「魔法的な要素」は、物語を進行させるための手段であり、視聴者が深いテーマを感じ取れるような抽象的で寓話的な表現として用いられていると言えます。

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■喩える作品

*
つまり『輪るピングドラム』とは、常に何かに喩えて
人間の問題を表現するアニメ
だということです。

視聴者はどのように考察してもいいというか
そのように多くの要素を曖昧に存在させているので
かなり視聴者にとっても…自由度の高い作品といえます。

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似たような作品に
「うみねこのなく頃に」という作品がありますが
あれと比較すると自由度は狭まります。
あちらは犯人は誰かという点が重要なので
批判が大きかったですがw

ウテナと比較した場合…
ピングドラムは成功作とはいいにくいかなと
でも意欲作ではあると思います。
アニメを見過ぎてるような玄人さんにはぜひお勧めしたい作品です。✨

あんまアニメ見慣れてない人からすると
かなり混乱するかもしれませんねw
あとオウム事件を知らない世代の人には
伝わりにくいところもありますかね。

個人的に印象的な要素は
このリピートされるこの夏芽真砂子の台詞ですかねw
🐧「あらいやだ、早くすりつぶさないと」

個人的なおすすめ度しては★3.0~3.5(満5)です。

figma 輪るピングドラム プリンセス・オブ・ザ・クリスタル

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