【農業・芸術・食をテーマに3ヶ月でヨーロッパ6カ国⑨】 イタリア-シチリア レモンパラダイスでWWOOF(後半)
「農業」「芸術」「食」をテーマにヨーロッパを6ヶ国周ったシリーズです。
シチリア島カターニャ近郊でオレンジやレモン、アボガドを栽培し出荷販売までしているところでしたWWOOFの話、後半です。(前半はこちら。)
後半は、仕事内容や美味しかった食事、シチリアの自然について紹介します。
〈仕事内容〉
・オレンジの収穫(家から離れたところに広大なオレンジ畑がある、種類も3種類ほど)
・レモンの収穫(これまた家からすごく離れた海沿いに畑がある)
・アボガドの収穫
・オレンジ、レモン、アボガドの出荷用箱詰め作業
・マーマーレード作り(出荷できないオレンジを使い販売用のマーマーレードを作る)
・家の裏にある畑の手入れ(野菜は販売はせず、家族やWWOOFerで消費する)
・庭のお手入れ(春に向けてお花を植え直したり、剪定した木を燃やしたり)
(↑ひたすら広がるオレンジ畑 私たちが行ったのは4月でもう終わりかけの時期)
(↑みんなで手作業で収穫して箱に入れて車まで運ぶ)
(↑レモン畑は海の前の斜面に広がる 収穫に行った日は天気も良く大きなレモンが沢山で、みんなパラダイスと呼んでいた)
(↑アボガドの木が沢山茂る なんだか不思議な雰囲気)
(↑アボガドの収穫 初めて実のつき方を知った)
(↑雨の日のマーマーレード作り ひたすらオレンジを細かく切る 作業中にも関わらず急に日記を付け出すアリーナ(奥))
(↑大量のマーマーレードは暖炉の上で煮る)
(↑家の裏の畑 3種類ほどのレタスやニンニク、フェンネルやアーティチョークなど沢山の野菜が取れる 夏に向けメロンやズッキーニを新しく植えた)
(↑エトナ山をバックに畑作業)
〈食事〉
ここではルール等はなく、ホストだけではなくWWOOFerも含め気づいた人が作るシステムでした。ここでとれる食材が豊富で、美味しいものを沢山食べました!特に印象的だったのが、
・フェンネルとオレンジのサラダ(ざっくり切ってオリーブオイルと塩胡椒で和えるだけ)
・アボガドディップ(ニンニクや唐辛子を少し入れるのがコツ)
・アーティチョークのリゾット(アーティチョークから出汁が出て美味しい!)
・フェンネルのパスタ(この地方ならではのもの)
・リコッタチーズ(フレッシュタイプ、ベイクタイプなど種類が沢山ある)
(↑ある朝アジャスタがリコッタチーズの出来立てを食べるためチーズ屋さんに連れて行ってくれました 出来立て熱々のリコッタチーズ)
(↑リコッタチーズをつくっているところ ここでは、牛、羊、ヤギの3種類の乳を混ぜて作っていた)
個性が強くまだ日本では馴染みが薄いイタリア野菜ですが、ここでは料理にもよく参加したので美味しいイタリア料理のコツを覚えることが出来ました。コツは、弱火で蓋をして蒸し焼きのようにしながら野菜に熱を通すこと。そうすると野菜の旨味がグッと出て、調味料は塩だけでも美味しくなります。そして、弱火でゆっくり時間をかけて調理している間に、食前酒でも飲みながら話をして待ち時間も楽しむのがイタリア流。ここで取れた食材をゆっくり楽しむ。これこそまさにスローフード・スローライフ。
ずっと憧れだったアーティチョークは蕾の皮を向いて使えるところはわずかで日本では貴重な食品ですが、ここでは庭から取ってきてふんだんにリゾットに入れたり、お腹がすいたら取ってきたアボガドを食べたり、とれたてのレモンをサラダに絞ったり、なんとも贅沢で美味しい体験をしました。
そして、ここで強く印象に残ったことは、個性の強いメンバーや美味しい食事に加えて、シチリアの荒涼とした大自然です。
カターニャには、世界遺産にも登録された活火山であるエトナ山があります。標高は3340m。晴れていれば、どこからでもエトナ山を見ることができます。大小の規模を含め50年前から噴火を繰り返しているエトナ山は、災害をもたらす一方で、噴火によって柑橘やワインに最適な石灰を含んだ土壌ももたらしました。そして山の周りには、荒涼としたとても力強い自然が広がっています。家から眺める景色は、ずっと見ていても飽きず、嫌なことは全部忘れてしまうくらい雄大で印象的でした。
(↑庭の奥に広がる景色 周りに建物等何もなく、山や川が180度広がる)
(↑犬たちも景色を眺める)
整えられた自然も綺麗だけど、人間がコントロールできない大自然の方が大きく心を打つものだと感じました。そして、明るくおおらかなシチリアの人だからこそ、この厳しく荒削りな自然とうまく行きていけるんだろうなと思いました。また会いに行きたくなる魅力を持ったシチリアでした。
〈おまけ〉
お休みの日、エトナ山の麓にある世界最高峰のピスタチオが取れるピスタチオの町 ブロンテに遊びに行きました。町まではエトナ山の周りを走る電車で向かいます。その車窓からの景色も最高でした。ちょうどピスタチオは実っていない時期(収穫は2年に一回)で、町も少し閑散としていましたが、町の人はとても優しいし、ピスタチオを使ったパスタやデザート等が食べれます。収穫祭の時期等は盛り上がるようで、日本からもわざわざこだわりを持ったシェフが出向いたりもするそう。お土産に買ったピスタチオのクリームは絶品でした。
(↑車窓からの景色 奥は雪をまだ残すエトナ山)