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ちいさなものがたり

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ちいさな空想のひと場面を文章にした幻想物語をまとめました。
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#幻想小説

ー 氷の女神 ー 幻想物語

氷のように冷たくて澄んだ青いベールの中からみんなの顔が良く見える。

そのままでいてね。かわいいみんなが好きなの。

誰も私に触れられない。

きっと、触れてしまえば壊れてしまう。

どれだけ体を触っても、どれだけ手を押し付けても、氷のベールは鉄壁なの。

分からないまま、

知った気がして、

話しかけても、

届かない。

響かない透明なベールの中。

本当にそれを分かってくれる人はね、分かっ

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ー 波 ー 幻想物語

「あなたは今何を見ているの?」

ぼやけた視界に真っ白なカーテンが揺らぐ。

「あなたがどこにいるのか私にはわからないけれど。私はこの場所が好きなの。」

静かな砂浜に波の残像と足跡だけが残る。
それもじきにざらついた音と共に霞みゆくが、今は辛うじて。

その軌跡に時が縋りついていられた。

顔を上げるのはいつぶりだろうか。

そこに映ったのは真っ白なカーテン、いや、私には見る事の出来ないはずのも

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