ごんぎつねを読む①
言わずと知れた、4年生国語の教材「ごんぎつね」作者は新美南吉です。
この作品は、豊かな情景描写やごんと兵十との絶妙な関わり、悲劇のクライマックスなど、様々な見方を通して作品の主題に迫ることのできる名作でしょう。
あらすじは、一人ぼっちで人間にいたずらばかりするごんぎつねが、自分の過失によりひどい目に遭う兵十に対して償いをして思いを寄せていく話です。
まず、この話の特徴として、いたずらをした相手が不幸に遭う姿を見て反省し、こっそり償いに栗などを持っていくが気づいてもらえず姿を見せて撃たれてしまうという「ごんと兵十のすれ違い」があります。
そこで、なぜ償いをしたのか、なぜこっそりしたのかなどを考えていくことがあるでしょう。これらについては、普通に読んでいればすぐに分かるものなので、深い読み取りとは言えないでしょう。
今回は、このごんの「償い」や両者の「すれ違い」などの中に、どんな登場人物の心の動きが読み取れるのかや、作者が暗示的に用いている表現に着目して、解説したいと思います。