忘れられない恋を持つ大人へ。
エブリスタという携帯小説サイトに「片道切符」という小説を掲載したのは、だいぶ前のこと。
今でも毎日、どなたかが読んでくださっている。とても有難い。
若い頃の恋の美化の話と言えば
それまでだけれど、
きっと、10代から20代にかけて、何の損得勘定もなく素直に人と
愛し合い、
暮らしを共にした方に読まれて
いるのだと思う。
若い頃の恋は年月が過ぎると美化されて、良い思い出ばかりが残るから
「思い出は美しい」と
言う人もいるかもしれない。
けれど、
決して順調ではなかった恋さえも、別れて30年近く経ち、
五十路近くなった今の苦しみを
支える思い出ならば、
その思い出の大切さを大人に
なっても、
心にそっと持っていても良いと
思う。
実際の私と彼はこの先も
決して再会する事は無いが、
物語の主人公には自分を重ねて
再会させてあげたいと思って
書いた短編が、
毎日誰かに読まれている事実があるのだから。
結婚していても
そうじゃなくても、
“ 忘れられない恋は、
忘れないままでいいよ ”
と、永遠の片想いになって
しまった想い出を持つ
大人に伝えたい。