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【美術展2024#52】倉俣史朗のデザイン 記憶のなかの小宇宙@京都国立近代美術館
会期:2024年6月11日(火) 〜8月18日(日)
倉俣史朗(1934‒1991)は、銀座のランドマークとなる商業施設「三愛ドリームセンター」の店内設計で注目を集め、1965年にはクラマタデザイン事務所を設立して独立します。高度経済成長とともに変化し続ける都市を舞台に、同時代の美術家たちとも協力して、新たな空間を提示していきます。
一方で、商品化を前提とせず、自主的に制作した家具を発表しています。イメージに合う素材を開発し、画一的な利便性から解放されたデザインは、日常に遊び心と本質的な問いを持ち込みます。
1980年代にはイタリアのデザイン運動「メンフィス」に参加し、活躍の場を世界に広げました。倉俣が「言葉で語れない部分を形で言おう」とした家具たちは、今なお能弁なまでに魅力的です。
本展では、倉俣自身の言葉を辿りながら、創作の源泉ともいえるイメージスケッチや夢日記などの資料とともに、彼のデザインが語りかけるメッセージに耳を傾けます。
京都では25年ぶりの回顧展。東京・富山を巡回した本展は、京都会場で幕を閉じます。
村上隆を見に京都に行った。
その会場の京都市京セラ美術館から道挟んですぐ対面にある京都国立近代美術館では倉俣史朗展が行われていた。
今年1月に行った世田谷美術館で行われていた展覧会の巡回展だったのだが、展示の仕方や出品作品に違いがあるのか等気になったので行ってみた。
京都展メインビジュアルのデザイナーは菊地敦己氏。
東京展は《ミスブランチ》がメインビジュアルだったが、京都展では《硝子の椅子》をメインビジュアルに持ってきた。
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京都展デザインの方が80年代感をうまいこと引用しているように見えて個人的には好きだ。
会場外には《アップルハニー》と《シング シング シング》が置かれ、どちらの椅子も座ることができた。
どちらもギャラリー田村ジョーから復刻版が出ているのでそれを提供してもらっているのだろう。
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アップルハニー:330,000円
シング シング シング:687,500円
東京展で座ることができた《ハウ・ハイ・ザ・ムーン》がこちらでも座れる。
このモデルもギャラリー田村ジョーの復刻版なので買おうと思えば今でも買える(高いけど)。
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ハウ・ハイ・ザ・ムーン:2,062,500円
《ハウ・ハイ・ザ・ムーン》と言えばやはりアーティゾン美術館だ。
幻の《ハウ・ハイ・ザ・ムーン 2シーターモデル》が鎮座しており、さらにそれを惜しげも無く開放し自由に座り放題という素晴らしい美術館。
東京駅へ足を運んだ際はぜひ。 ↓
京都展では会場入ってすぐの最初の部屋のみ撮影可。
東京展では撮影できなかった《硝子の椅子》や《ミス・ブランチ》が撮影できた。
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どちらも倉俣史朗を代表するコンセプチュアルな名作椅子だ。
しかしなんだか今年はいろんな場所で《ミス・ブランチ》を見ているな。
①【美術展2024#01】倉俣史朗のデザイン 記憶のなかの小宇宙@世田谷美術館
②【美術展2024#23】アブソリュート・チェアーズ@埼玉県立近代美術館
③【美術展2024#45】TRIO パリ・東京・大阪 モダンアート・コレクション@東京国立近代美術館
まあそもそも私が倉俣史朗好きだから自ら見に行っているのだが。
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このドローイングを版画にしたやつが「ときの忘れもの」で販売されているが、問い合わせてみたところなかなかなお値段だった。
表のサインは印刷で裏面に倉俣氏の奥様の倉俣美恵子氏の直筆サインが入っている品とのことだったが、表のサインが倉俣史朗の直筆だったらポチっていたかもしれない。
京都展会場は壁面を黒くして照明を落とし、スポットライトを作品に当てて作品を際立たせる見せ方をしていた。
基本的には東京展とほぼ同じ出品作品だったが、見せ方が違ったので作品もまた違って見えて新鮮だった。
倉俣作品は我が家の雰囲気に全く合わないので我が家に導入することは無いだろうが、倉俣作品そのものは大好きだ。
コレクション展では版画系の展示が行われていた。
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・吉田克朗
先日神奈川県立近代美術館葉山館で見たばかりなので既視感があった。
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・李禹煥
木版画。
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・横尾忠則
個人的には横尾忠則は油絵よりも極彩色のポスターが好きだ。
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御朱印帳も横尾忠則。
これが目的で7,8年前に川口まで参拝しに行った。
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