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【美術展2024#32】デ・キリコ展@東京都美術館

会期:東京展@東京都美術館
    2024年4月27日(土)~8月29日(木)
巡回:神戸展@神戸市立博物館
    2024年9月14日(土)~12月8日(日)

イタリア人の両親のもとギリシャで生を受けたジョルジョ・デ・キリコ(1888-1978)。1910年頃から、簡潔明瞭な構成で広場や室内を描きながらも、歪んだ遠近法、脈絡のないモティーフの配置、幻想的な雰囲気によって、日常の奥に潜む非日常を表した絵画を描き始めます。後に「形而上絵画」と名付けた1910年代の作品は、サルバドール・ダリやルネ・マグリットといったシュルレアリスムの画家をはじめ、数多くの芸術家に衝撃を与えました。1919年以降は伝統的な絵画技法に興味を抱くようになり、古典絵画の様式へと回帰していきます。それと同時に以前の形而上絵画の題材を取り上げた作品も頻繁に制作するなど、90歳で亡くなるまで創作を続けました。

本展はデ・キリコのおよそ70年にわたる画業を「イタリア広場」「形而上的室内」「マヌカン」などのテーマに分け、初期から晩年までの絵画を余すところなく紹介。さらに彼が手掛けた彫刻や舞台美術も展示する、日本では10年ぶりの大規模な回顧展です。デ・キリコ芸術の全体像に迫り、その唯一無二の表現力を堪能できるまたとない機会となるでしょう。

展覧会公式サイト


実は展覧会開始直後のゴールデンウィークの早い時期に訪れていたのだが記事にするのが全然追いつかず。
そしてまだ10件くらい溜まっているレポがあるがようやくここまでたどり着いた。

ということで入場。

敷地に入ってすぐのいつものこの玉。
すでにキリコっぽい。
撮影者をPhotoshopで適当に消してみたら不思議感が増して、よりキリコっぽくなった。

《my sky hole 85-2 光と影》 井上武吉  1985


前川國男のこのベンチも色合いがキリコっぽい。

都美館の雰囲気とキリコは相性が良い。
なんて思っていたのだが、すでに同様のことを記事にしている方もいた。
この方の記事はいつも独自の視点で面白い。↓


会場は撮影禁止。
所々のパネルのみ可。

所々のパネル①

きれいなプリント技術。
キリコの絵はマチエールや筆跡がどうのこうのというタイプの絵でもないので、このコピーパネルを写真に撮ればスマホの画面越しに見る分には本物と遜色ない雰囲気は出ている。
本人も自分の過去の絵をセルフコピーして複数枚描いていたりするので、ある意味これだってキリコの作品と言ってもよい。(いや、やっぱりそんなわけない)

額縁の模様も影も印刷
《不安を与えるミューズたち》
《オデュッセウスの帰還》
《薔薇色の塔のあるイタリア広場》


キリコに対して個人的な思い入れがそれほどないためか、もうなんかこれでいいかもという気になってくる。
世界観とかボーリングのピンみたいな変なマネキンとか嫌いではないのだが。


散々スタイルがぶれて(変化して)その都度界隈からディスられまくっていたようだが、後世の美術史へ少なからず影響を与えた画家であるということは間違いない。

いずれにせよ100ページ続いてきた美術史の101ページ目を描き、次の章に繋いた人は素晴らしいのだ。

所々のパネル②


物販で売っていた自分で組み立てる木製タワー(予約販売)。
制作に難航しているとのことでまだ未完成らしいがそんなに難しい構造とも思えないのだが。


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