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書店員それは力強き者達

売場は戦場!書店員は歴戦の兵士…!!

『ガイコツ書店員本田さん』の第1話を見た。
10月からの新アニメを調べていた時にこの作品はひときわ目を引いた。なぜかって…私も書店員の経験があるからだ。

といっても学生時代にバイトをした程度だが、それでもアニメ第1話の序盤で既に頷きまくってしまった。
書店員といえば大人しそうな黒髪巨乳女子?ヒョロヒョロの眼鏡男子?外見や性格についてはそういう属性の人もいないわけじゃなかろう。退屈そうな仕事?いやいやとんでもねえですよ!

書店員てのは体力勝負である。
レジをこなし、書籍の入れ替えを行い、乱れた売場を直し、お客様の対応に追われ…売場を所狭しと動き回るのが書店員だ。そして休憩はというと、バックヤードに休憩できるスペースがある店ならいいが、私が働いてた駅ナカ系の小さな店だと人が4人も入れば満杯になるので、座って休憩なんてできない。つまり勤務時間中はほとんど立ちっぱなし。

それから紙ってやつはとにかく重い。働き始めの頃は売場にある書籍を入れ替えるだけで腕は震え、腰は悲鳴を上げ、脚は棒になり…。もうゼク○ィとか殺意湧くレベル。おまえいくら何でも無駄にデカくて分厚すぎるよ。
さらにそんなクソ重紙束が何冊も入ったでかいダンボールを10個とか台車に積み上げて狭い売場を行軍。移動経路にお客様がいたらぶつからないよう慎重に台車を操作するのにまた筋肉が要る。
しかもこの台車での運搬は閉店間際に発生する(私は遅番しかしたことないのでそうだったが、早番の品出し時もやるのかも知れない)。1日の勤務をこなした最後の力を振り絞るのだ。

体力からは話が逸れるが、書店員は手荒れが酷い。そもそも紙を相手にする仕事だから当然である。
手が荒れる原因として、書籍を触る他にブックカバー折りがある。レジにお客様が来ていない時、カウンターの下ではひたすらブックカバーを折り続けている。
ブックカバーは、元は同じサイズの紙を書籍のサイズに合わせて折ることで作られる。文庫サイズ、新書サイズ、A5サイズ…カウンターにある各サイズの残り枚数を確認しながらとにかく折る。朗らかに「いらっしゃいませ~」と言いながら手は動き続ける。熟練書店員ともなると数枚重ねた状態で一気に折って枚数を稼ぐ。そんな折り方してるのに折り目は寸分の違いもない。スゴイ。
そんな熟練書店員の手を見せてもらったことがある。ペーペーの私なんかとは比べ物にならぬほど細かい生傷だらけで、手そのものもゴツゴツと腫れているような感じだった。仕事人の手だ。

そんなわけで、書店員は日々体を張って働いている。
黒髪巨乳で大人しそうなあの子も、ヒョロくて優しそうなあの子も、実は強靭な書店員マッスルを秘めているかも知れない。歴戦の負傷を蓄積した力強い手をしているかも知れない。書店員とは、売場という戦場を駆け回る屈強な兵士なのだ。

さて『本田さん』の話に戻る。本作品は書店員あるあるネタの他にも魅力はたくさんあると思う。
10分ギャグアニメらしく非常にテンポがいい。気楽に見られる。そして書店員が軒並み異形頭というのも個人的にとても好きなやつである。本田さんの顎骨が外れたりだとか、異形頭ならではのアクションがツボに入る。
現・元書店員の皆様も、そうでないあなたも、笑いながら本屋での出来事を覗いてみて欲しい。

余談だが『本田さん』の書店員がしているエプロンの色がすごく…ブックファー○トです…

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秋月翼
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