メディアコラボ・古田大輔
ニューヨーク・タイムズのV字回復のきっかけとなった、デジタル時代のメディアのバイブル「イノベーション・リポート」について、最新のデータや日本特有の状況も交えて解説します。
日本ファクトチェックセンター(JFC)での記事や、過去に所属したBuzzFeedや朝日新聞(ネット公開期間が終わってほぼ消えてます😭)、Yahoo!ニュース個人での記事の他、他媒体への寄稿・コメント、テレビ出演などをまとめています。 社会部や国際報道部に所属した新聞記者時代から多様なテーマに取り組んできましたが、「分野別の主な記事」ではその中でも中心的な取材テーマとしてきた「ファクトチェック/リテラシー」「デジタルメディアとジャーナリズム」「ダイバーシティ」「政治・選挙」、
太陽が降り注ぎ、花が咲き乱れ、子どもたちが無邪気に遊ぶ美しい庭。その映像の背景には、絶えず悲鳴や叫びが漏れている。聞こえないとは言わせない音量で。 幸せな家族の情景と大量虐殺ユダヤ人の大量虐殺の現場だったアウシュビッツ収容所の隣で暮らしていた実在の収容所長ルドルフ・ヘスの家族を描いた映画「関心領域」。夫婦が子どもたちと幸せに暮らす邸宅の壁一枚向こうでは、毎日、ユダヤ人たちが殺され、焼かれている。 虐殺を指揮する所長はより効率的に「作業」できるように、新たな焼却炉の導入を計
放送倫理・番組向上機構(BPO)が20周年を迎え、記念誌への寄稿を依頼されました。その内容を加筆修正して、こちらに掲載します。 元々の依頼は「放送ジャーナリズムについて、新聞やネット、国内外の現場やGoogleでの仕事も経験した立場から書いて欲しい」というものでした。以前、新聞協会から同じような講演依頼を受けたときに「新聞ではなく報道の話をしましょう」と提案しました。 今回も一緒です。「放送ジャーナリズム」「テレビジャーナリズム」という限定された概念に関心があるのは、ほぼ
衆院選では、新型コロナウイルスへの対応や経済、税金、社会福祉、安全保障、教育など、幅広い政策について、候補者たちが議論しています。 気になる争点は人それぞれでしょう。僕が毎回注目するのは、選択的夫婦別姓と同性婚です。様々な世論調査で既に過半数が支持し、前者は世界では当然、後者も当たり前になりつつあるのに、日本ではなかなか実現しません。 この2つが実現すれば、幸せになる人たちはたくさんいる一方で、不幸になる人はいません。多くの政策は、税金の配分が変わって、誰かが損すれば、誰
東京都議選のときに「支持する政治家も政党もない人は、どうやって投票先を決めたら良いか」というnoteを書いたら、好評でした。やはり、こういう悩みを持っている人は多いですね。 というわけで、東京都だけじゃなく、日本全国の人が関係する今回の衆院選バージョンも書いてみたいと思います。 都議選の時も書きましたが、「誰に投票すればよいかわからない」「投票したい人がいない」というのは、選挙に行かない理由としてよく聞きます。政治に全く関心がないわけではないけど、自分の選び方に自信がない
LGBTという言葉が日本でも頻繁に聞かれるようになって、もう数年が経ちます。同性婚に関する世論調査でも、賛成が反対よりも多くなりました。「LGBT?私は偏見ないよ」という言葉も特に若い世代からよく聞きます。 じゃあ、当事者は自由に生きられるようになったのか。 現実は違います。同性婚への賛成が増えたとはいえ、法的には今も結婚ができない。法的に「家族」として暮らすことができない。急病の際に病室にすら入れない、という話は今も続いてます。 そして、子育て。たとえばアメリカでは、
菅義偉首相が7月8日に記者会見を開き、東京都に再び緊急事態宣言を出すことを発表しました。その質疑の中で新型コロナウイルスのワクチン接種の進展について、こう発言しました。 先進国で最も早いワクチン接種?「先進国の中でも最も早いスピードだと言われています」(1:33:50~) これは本当でしょうか。ライブファクトチェックをしました。 信頼できるデータベースを参照する国内外の報道機関が参照しているウェブサイト「Our World in Data」には世界各国での、最低1回ワク
大谷翔平選手のホームラン動画が気持ち良すぎて、ただ並べるだけの記事です。ホームラン打つたびに更新していきます。実況の興奮した英語も最高なので、ぜひ音声ありで楽しんでください。 来年も1本目作っていこうと思います。ありがとう大谷! 46本目。ありがとう! 45本目。A・ロッド以来14年ぶりの45本塁打20盗塁。 A44本目。「弾丸みたいだ!」 43本目。8奪三振9勝目の翌日に! 42本目。月まで届くホームラン。 41本目。高い軌道で滞空時間の長いホームラン。余韻が
選挙のたびに「誰に投票すればよいかわからない」という声を聞きます。そりゃそうですよね。よほど政治や選挙に興味がある人を除けば、候補者は誰が誰だかわからない、のが普通でしょう。 僕もそうです。長いこと記者をしてきたので、ある程度は知っていますが、国政はまだしも地方選挙となると、自分の選挙区の候補者一覧を見ても、正直、ピンときません。 支持する政党もないので、選挙のたびに誰に投票するか悩むし、情報が不足していてウンザリします。これで選べという方が無理ゲーに思えます。 それで
ニュースメディアに就職すると言えば、まず思いつくのは新聞社。現場の記者として事件事故、司法や行政など幅広く取材をこなし、やがてはデスクや管理職へ。ほとんどの記者が1社でキャリアを終えていく。 インターネットの時代となり、そういうキャリアパスは不透明になりました。学生はまずどこに就職するか悩み、就職しても今後、どういう道のりを選ぶべきか暗中模索する。新しい取材ツールや表現手法が日進月歩で進化する中で、より良い報道のために、どういうスキルを身につけるべきか。 報道業界を志す学
新聞、放送、出版、広告などマスメディア210企業からなる「マスコミ倫理懇談会全国協議会」の機関誌「マスコミ倫理」への寄稿に加筆修正をしたものをnoteで公開します。 「WITHコロナ時代の報道倫理」と題した本稿の前編では、インフォデミックの現状、信頼性の高い情報が求められる中で掲げられた「13のルール」、そして、市民がシェアしていたのはメディアよりも行政や医療機関、Youtuberの発信だったというデータを紹介しました。後編では、メディアが抱える倫理的な問題を具体的に明らか
新聞、放送、出版、広告などマスメディア210企業からなる「マスコミ倫理懇談会全国協議会」という組織があります。その名の通り、「マスコミ倫理の向上と言論・表現の自由の確保」を目的に1955年に創設されました。その機関誌「マスコミ倫理」にコロナと報道倫理をテーマに寄稿を依頼されたので、その内容に加筆修正を加えてnoteで公開します。 信頼を得るための報道倫理と方法論 本稿を始めるにあたり、長くなるが、ある文章を引用したい。 新聞記事の信頼が揺らいでいる状況、これは読者調査
代表・古田大輔の略歴ジャーナリスト/メディアコラボ代表 1977年福岡生まれ、早稲田大政経学部卒。2002年に朝日新聞に入社し、京都総局、豊岡支局、西部社会部、国際報道部、アジア総局員(バンコク)、シンガポール支局長を経て、デジタル編集部でデジタルコンテンツの企画や取材・編集を担当。 2015年10月に退社し、アメリカ発のインターネットメディア「BuzzFeed」の日本版創刊編集長に就任。ニュースからエンターテイメントまで、ソーシャルと動画で急成長し、3年で日本有数の規模
報道のあるべき姿とは何か。新聞記者と東京高検検事長の「賭け麻雀」事件を受けて、現役・元記者やメディア研究者らが実名で声をあげました。「ジャーナリズム信頼回復のための提言」をまとめて公開し、日本新聞加盟社に送付。7月18日夜にはオンラインで公開シンポジウムを開催します。 組織の壁を超えて抜本的な改革を提言組織の壁を超え、現場の声も交えた改善への動きは、これまでなかったものです。提言書には発起人6人と、賛同人135人の名前が連なっています。賛同者をさらに募っており、その入力フォ
新型コロナウイルスの影響で、テレビやラジオ出演もリモートが多くなったのをきっかけに、見えやすく、聞こえやすい機材セットを作ってみました。 気にするべきポイントは「明るさ」逆光にならず、同時に暗闇に顔だけ浮かび上がらないように。 「高さ」カメラが低い位置にあると上から見下ろす感じに 「画角」広角だと室内に余計なものが映りこんでしまう 「画質」くっきりとしてピントがあった画像を 「音声」実は一番重要なのがこれ 「電源」これが切れると命取り SONYのVLOGカメラが
アスリートの言葉を紹介するサイト「コトバのチカラ」に、母の日に因んだ言葉が公開されています。母に送る言葉、母が語る言葉。そのいくつかを紹介します。 "ごめんな、いつか恩返しするから" 興南高校(沖縄)で2度甲子園に出場し、2019年ドラフトでオリックス1位指名でプロ入りした宮城大弥投手。 家計が苦しく、試合用のユニフォームにつぎはぎをあてながら練習を続け、生活費から遠征費をやりくりしていました。その度に家族に口にしたのが「ごめんな、いつか恩返しするから」という言葉だった